第16話恋する妹

鈴華は、朝からドキドキしていた。


お兄様がフリーになったからだ。


積極的になろうと思った。


「お兄様!ちょっと良いですか?」

と優斗の事を呼んだ。


「何だ?」


「ちょっと恥ずかしいですけど‥ブラジャーが‥。」


優斗は、びっくりしている様子だ。


何て夢を鈴華は見た。


「鈴華、鼻血出てるよ!」


と裕子に言われた。


屋上で昼ごはんを食べてぼーっとしていたら鈴華は眠ってしまったようだ。


裕子に、ティッシュをもらって止血した。


わたしは、どうかしてた。


自宅に帰ると優斗がラーメンを食べていた。


鈴華は、自室に閉じ籠って優斗となるべく会わないようにした。


しかし、頭の中では優斗の事でいっぱいだった。


夕飯を、鈴華がキッチンで作っていると優斗が2階から降りて来て


「今日はステーキか、奮発したな。」


と呟いた。


「お兄様!わたしも、わたしも、」


「どうした?」


「女です!」


「知ってる。」


それから沈黙が続いた。


どうしたら気持ちが分かって貰えるのだろうと考えているとステーキを鈴華は焦がしてしまった。


「鈴華、焦げ臭いぞ。」


という優斗の声で我に返った。


夕飯を無言で食べてお互いの部屋に戻った。


優斗は、お兄様なんだと言い聞かせて鈴華は寝た。


しかし、夜中に起きてしまった。裕子に電話した。


【もしもし、鈴華どうしたの?】


眠たそうな声が返ってきた。


【裕子わたし‥お兄様が好き。】


と呟くように言った。


【正直に伝えたら?】


【うん。】


電話を切って優斗の半開きになった部屋を覗いた。


優斗は、意外にも起きていた。


「お兄様。」


「おう!鈴華も眠れないのか?良かったら野球ゲームしないか?」


誘われるまま鈴華は優斗の隣に座った。


同時に横を向いた瞬間、お互いの唇が重なった。


優斗も鈴華も理性を失いかけた。


でも、鈴華にはどうしても聞きたい事が合った。


「お兄様、わたしはお兄様を1人の男性と見て好きです。お兄様は、どうですか?」


「初めて出会った時から好きだった。」


と優斗は、真剣に答えた。


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