第14話 王様に似てるお爺さんは、本物の王様お爺さん
キラキラでとっても綺麗な廊下を、どんどん歩いて行きます。僕最初、これが廊下って思わなかったの。お城の中に道があるんだねってタマ先生に言ったら、廊下よって教えてもらったんだ。僕こんなに長い廊下始めて。僕のお家の廊下はとっても短くて、すぐ隣のお部屋に着いちゃうんだ。だから廊下だと思わなかったの。
それから階段もいっぱい上ったり、時々下りたりしました。こんなに色々な場所歩いたら、きっと聖也は迷子になっちゃいます。だから僕は歩きながら匂いを確認。何処を通れば何処に着くか、ちゃんと確認しながらお兄ちゃん達の後ろを着いて行きました。タマ先生もね。
『だって、あなただけじゃ心配でしょう? 聖也と2人で迷子になるかもしれないもの』
そう言って、体の匂い付けたりしてたよ。
後ね、大きなドアがいっぱいありました。セイヤがドアがいっぱいって言ったら、フリップが、仕事をする部屋や止まる部屋、色々な部屋があるって教えてくれたんだ。僕達はこれから、このいっぱいある部屋のどれかに入るみたいです。そこでお話しするんだって。
どのくらい歩いたかな? 僕確認して歩いてたけど、途中でちょっと危ない所が。もしかしたら間違って覚えちゃったかも。後でもう1回確認しなくちゃ。そう思ってたらフリップが、今まで見た部屋のドアで、1番綺麗なドアの前で止まりました。
「さぁ、ここだ。すでに集まっているが、先程のようにたくさん人は居ないから、セイヤ君も驚かないだろう」
ノウルがトントン、ドアを叩きます。そしたら中から入れって声が聞こえて、ドアの前に居た騎士さんがドアを開きました。今度はスッてドアが開いたよ。
最初にフリップが中に入ってお辞儀をしました。それに続いてノウルもお辞儀をして。それからフリップに呼ばれた優也お兄ちゃんが、聖也を抱っこしたまま中に。僕とタマ先生も中に入って、騎士さんがドアを閉めます。
中にはさっきの王様に似てるお爺さんが、真ん中の椅子に座ってました。その隣にはおじいさん? それともおじさん?くらいの男の人が座ってて。それから真ん中にテーブルがあって、周りに体の大きい騎士さんおじさん、眼鏡をかけてるお兄さん。変な洋服を着てるおじさんや、僕達のことをジロジロ見てくるおじさん、色々な人が椅子に座ってました。後は何人か壁側に立ってる人達が。
フリップが優也お兄ちゃんに、王様に似てるお爺さんが前に見える椅子に座るように言います。それでお兄ちゃんとお兄ちゃんの隣の椅子に、聖也が座ったのを確認してから。自分はお爺さんの近くの椅子に座りました。ノウルはその後ろに立ったよ。僕は聖也のお膝に、タマ先生は優也お兄ちゃんのお膝に座りました。
最初に話したのは王様に似てるお爺さんで、立ち上がってお辞儀をして、それからご挨拶です。
「ワシはこの国の王で、名をクレミシアン=アーネルと言う。よくぞ、この国に来てくれた」
おお!! お爺さんは王様に似てるお爺さんじゃなくて、本物の王様お爺さんでした。タマ先生が隣で『あらあら』って。優也お兄ちゃんは少しだけビックリしたけど、すぐにちょっとだけみんなに分からないくらいにため息ついて、『やっぱり』って。その後すぐに、優也お兄ちゃんもお辞儀して挨拶しました。
「は、初めまして」
「うむ。そう緊張せんで良い。と、言っても、急にこのような所へ来たのだ。緊張するなと言う方が無理というもの。其方等がなるべく早く緊張が解けるよう、我等も行動には気を付けよう」
王様お爺さん、えっとアーネル王様はとってもニッコリ笑って、聖也を見てきました。とっても優しいニッコリで、寺田おじさんみたいなの。寺田おじさんも聖也にとっても優しいニッコリなんだよ。
「さて、先ずは名を教えてもらっても良いかの」
「私の名前は川本優也です。弟は聖也」
「ユウヤ殿にセイヤか。それとそちらの生き物の名は?」
「こっちがポチで、こっちのネコ、ここにネコが居るかは分かりませんが、名はなくて。弟がにゃんにゃんと呼んでいるので、私もそう」
「そうか。ユウヤ殿、セイヤ、それとその者達。本当に良く来てくれた。まずは何から話したらよいかのう?」
「あの、良いですか?」
「良いとも、良いとも、して何じゃ?」
「ここは俺達のいた世界ではないのですね? そして私達がここへ来たのは理由がある」
「何じゃ、フリップ。お前はもうそこまで話したのか?」
「いいえ。私はまだ」
「あ、いや、ここまでこるまでの、フリップさんとノウルさん、それから最初に私達が居たあの建物。あそこに居た人達の反応からそうかと」
「何と、それだけでそこまで理解したのか」
アーネル王様がとってもビックリします。優也お兄ちゃん、何のお話してるの? そう思ってたらタマ先生もやっぱりって。タマ先生も何か知ってるの? ん?
「先ずはここが何処なのか、教えてもらっても良いですか。その後に理由を聞いても」
「分かった。ではまずここがどういう場所か話そう」
アーネスト王様が話始めようとしたとき、ドアを叩く音が。椅子に座ってた人の1人が返事をしたら、台を押して人が何人か入って来て、聖也達の前に飲み物を置いていきます。僕とタマ先生の前にはお水が。僕喉乾いてたんだ。僕はすぐに水を飲もうとしました。でも優也お兄ちゃんが僕を止めて。
「にぃに、ジュース。せいくんのみたい」
「ちょっと待ってくれ。まだ…」
「はは、気にすることはない。色々あって喉が渇いているだろう。セイヤと言ったな。飲んで良いぞ」
聖也が優也お兄ちゃんにコップを支えてもらいながら、ジュースを飲みます。僕とタマ先生は水、聖也はジュース、お兄ちゃん達はあったかい何か。
「おいち!!」
「そうかそうか。いくらでもおかわりして良いぞ。ハハハハハッ!」
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