贖罪ノ天使
ゆずれもん
第1話 Prologue
202X/4/13 水曜日 朝
「…前の―――とのコラボの話だけどさ~」
昨日の配信の切り抜きを見ながら、コーヒーを飲む。これぞ朝の至福。
ちゃんとこのルーティンを行わないと、本調子はでないんだよね。
…っと、危ない。これ以上怠けていると電車を乗り過ごしちゃう。登校初日だというのに学校に遅刻する所だった。
私は新調した制服に手を通し、学校指定のバックを持って、家を出た。
―今年の4月、私は都心の有名校、『
2年の4月、クラス内でのグループがすでに出来あがっている時期、気まずいなぁ…
教室の前で新妻先生―担任の話が終わるのを待ちながらふと私は思う。
「…え~と最後に、今日からこのクラスで一緒に授業を受けることになる生徒を紹介します。入って来てください。」
どうやら、話が終わったようだ。
私は扉を開けて、教室の中に入る。
そして私は黒板に向き合い、チョークを使って黒板に『
「坂木黒江です。以前は岩手県に住んでいました。これから二年間よろしくお願いします。」
簡潔に自己紹介を済ませ、教室の一番後ろにある空いた席、私の席に座る。
それと同時に授業開始のチャイムが鳴り響き、そのまま一時間目の授業が始まった。
―一時間目の授業が終わり、休み時間が始まった。転校生にとって地獄の休み時間が―
「黒江ちゃんって何か好きな物ある?」
「岩手ってどんな所だった?」
―同級生からの、質問攻めが始まった―
何回も転校してきたが、このイベントが起きないことはなかった。
私は、会話をするのが嫌なので、突っ伏して眠ったフリをする。
…私は、決してコミュ症じゃないぞ。話せないのではない。話したくないのだ。決して、コミュ症ではないぞ!
202X/4/13 水曜日 放課後
―学校での質問攻めをシカトし続け、やっと苦行のようだった一日が終わった。私は速攻で帰宅して、パソコンを開く。
やっぱり私は、人と会話したり遊んだりするよりも、ネットに触れている方があっているな。人付き合い、面倒クサ。
そう思いつつパソコンを動かしていると、知らないアドレスから一通のメールが来ていることに気づいた。
…ネット通販関係のメールでもないし、ゲーム関係の連絡ならディスコを使うと思うし…迷惑メールの可能性が高いけど、違った場合無視してたら問題だし…
色々と思考を回し、メールを開くことに決めた。
「突然だが、ウチに協力してくれ」
たった一文、されど一文の言葉が、メールとして送られていた。
様々な意味、意図が組み込まれ、考察の余地が物凄くあるメール、それに思考を回し、マワし、まわ…
何故か、私の意識はそこで途切れてしまった。
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