シンママVtuberはオタク社長に溺愛される

とまと

第1話 

「あ、新しいVTuberか。ふっ。設定が面白いな」

 何の気なしに動画再生ボタンを押す。

「ここな春(35)」って、設定からして年齢が高い。

 見た目は人気があった女神様のような優しいちょっとお姉さんっぽい雰囲気だ。

 確かに、30になるようなおっさんたちにもお姉さんである設定と言えば設定だが……。35歳とは。ずいぶん”おばさん”年齢だな。まぁ、僕はさらに”おじさん”だから。10代のキャラに興奮するより真っ当なのかもしれない。


「おはよう」

「ちゃんとお弁当持った?」

「いってらっしゃい」

 生活の中の何気ないセリフを、愛情がこもった優しい声で囁く天使がそこにいた。


「明日、起きられないわよ?早く寝なさい」

 僕の身を案じて言ってくれているような気持ちになり、その日は幸せな気持ちで眠りについた。


 そして、彼女に会うのが僕の日常になった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る