みにくい女のコ

久石あまね

第1話 あまね

わたしはあまね。


13歳。中学ニ年生の女のコ。


わたしには悩みがある。


自分の体がくさいということだ。


中学一年のときに仲の良かった友達から「くさいで」と言われた。


わたしはくさいと言われてから自信をなくし友達と話さなくなった。


休み時間もひとりで小説を読むようになった。


小学生のときは誰とも仲良く、よく笑う女のコだった。友達も多くみんなから好かれていた。授業中もよく手をあげた。先生からの評判も良かった。


中学校も一年生の一学期までは小学生のときみたいに天真爛漫でみんなの人気ものだった。


しかし二学期になってあまねの体が臭くなってからはあまねの周りから人が離れていった。


あまねはひとりぼっちになった。


あまねは学校からよく泣いて家に帰った。


夜、布団の中でも泣いた。


そのとき、槍で心が突き刺されたような激しい痛みがした。


わたしの味方は家族だけだと思った。


家族だけはわたしから離れていかなかった。


家族はわたしを見捨てなかった。


わたしは友達と話したり、笑いあったり、遊びに行ったりしたかった。


でもわたしが一番イヤなのは、わたしが友達に近づいていって、臭いと拒絶されることだ。


わたしはそれが一番怖かった。

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