俺のラブコメは七色の巨大な虹から始まった

高橋ペンギン

7人の少女達

1. 巨大な虹


虹。

それは雨の後など、水に反射してできる、七色の綺麗な現象のこと。

日本では赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の七色だと言われている。


─────────────────


朝5時24分、俺、黒崎架くろさきかけるはいつも通りの朝を過ごしていた。


「んー、今日の運勢も吉かぁ、毎日吉だな」

良くも悪くも俺は吉しか見たことがない。

身長は170で平均的、顔も何ともない普通な顔、運動神経も平均的。まさか運勢まで平均的だとどうしようも無い。


『速報です』


ん?なんだ、ものすごい興奮してる様子だが。

『たった今、5時24分頃より巨大な虹が発生しています。』

虹ごときに大袈裟な感じだな、そんなにでかいのか?

『その大きさ、日本全国各地から見られるほどに大きい虹です!』

じゃあ俺の家からでも見えんのかな。

「まぁ、そんなことあるわけな……」


その時、俺の目には、青空さえうめ尽くせそうな巨大な虹が広がっていた。


◆◇◆◇◆


その日学校につくと、学校中、今朝の虹で話題になっていた。今はもうその虹はなくなっていて、綺麗な青空が広がっている。


「あ、架!おはよう」

こいつは大澤蓮おおさわれん小学校からの友達だ。性格はやんちゃだけど人気者で優しいやつだ。

「おはよ、なんだ?探してたみたいだが」

こいつの顔からしてわかる、何か話したくてうずうずしてんだろ。

「実はさ……」

どうせ虹の話だろ、今日ふられる話のネタとしてそれくらいしか思いつかん。

「今日転校生が来るらしいぜ!!」


……なに?転校生?こいつだけ盛り上がってる内容が違うぞ。


「それもさ、俺ら2組だけじゃなくて7クラス全部に転校生来るんだってよ!」

一瞬耳をうたがった。でも蓮ははっきりと言っていた。全クラスに転校生、だと?そんなばかみたいなことありえるのか?


そんな疑問がある中、ホームルームの時間を知らせるチャイムが鳴った。

「はいじゃあ席に座って〜!」

転校生が来るからだろうか、先生もいつもより少しテンションが高い気がする。

「今日はね、なんと! 転校生が来ます!」

やっとくるか、どんなやつなんだろうか。

「じゃあどうぞ入って〜!」




「皆さんこんにちは! 今朝は大変お騒がせ致し ました。今朝の大きな虹から生まれました、

水美橙香みなみとうかと言います。よろしくお願いします!」





なぜだろう、今日だけで自分の耳をこんなにも疑うことになるなんて。

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