こころが僕を呼んでいる、僕はこころを求める

ケイくんとナナさん或いは義鷹=gsgs

こころ

誰もいない、でもそこに居る

呼びかけても何も反応は無い

そこに居るのに見ることもできない

触れようとしても触れられない

でもふとした時にその人は僕に何かを語りかける

でも僕には何を言っているのか聞き取ることはできない

僕が外へ出掛ける時もその人は着いてくる

その人は僕の背中に乗ってどこまでも着いてくる


ある日、僕は夢の中で誰かと会っていた

誰かは僕に甘い声で何かを言っていた気がするけれどもう覚えていない

ただ何も無い白い世界で僕と誰かがお話をしていた、それだけ覚えている


誰かと一緒に過ごすようになってから1ヶ月が過ぎた頃

僕は相変わらず1人だった

僕は見えない誰かを「こころ」と名付けた

僕は家にいるといつもこころに話しかけていた

相変わらず反応は感じる事は出来ないけれど

いつもこころはそこに居た


ハロウィンもクリスマスもお正月も僕はこころと2人っきりで過ごした

お正月に何もすることがなかった僕はおせちを食べながら1人で炬燵で丸まっていると

最後に食べようとまだ食べていなかった伊達巻が1つなくなっていた

もしかしてと箸を誰も座っていない向かいの席置いてみると独りでに動き出した箸が黒豆やごまめ、かまぼこと掴んでは空中で消えていった

僕はこころも食べたかったの?と聞くと正面からは不機嫌そうな空気が頷くのを感じた

そして僕はこの日からご飯をこころと2人で食べるようになった



そうして時は過ぎ、雨が降る4月の夜

こころに向かって殺してくれと言ってみた

反応はない

だけど僕はこころが僕に近づき楽しそうな声を感じることができた

そして夜、僕はこころに連れられてこの世界から居なくなった

ここには誰もいない、でもいつまでも僕とこころがいるんだ

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