親友

@ten-0610

とは 検索

「親友」とは?


--------

親友とは、とても仲がいい友人を差す。 同音をもじった派生語に、心から理解し合える友人の事を心友、信じあえる友人の事を信友などが使われることがある。真摯に向き合っている真実の友人を真友と言うこともある。

--------


心友とか真友こんなこと言われたら、世の中に親友がいる人なんて一握りじゃないか。

とパソコンの画面を淡々とクリックしながら、今更ながら思う。


しかし、幼い頃は親友はあって然るべきで、自分の行いとは無関係に必ずできるものだと信じていし、いることがステータスのように思っていた。

親友がいなきゃ人間として失格なのだとすら感じていた気がする。


ページをスクロールすると関連ワードに「本当の親友とは」と出てきた。

そりゃ、気になるよなぁ…と何処か他人事のようにぼんやりと眺めていると、ふと高校時代を思い出した。


未来を考えなくてはいけなかったあの頃に、私は友人たちと絶交をした。


今は冬の12月に差し掛かり、靴下を履いてなかったからか、足先がだいぶ冷えてしまった。

心なしかお腹も痛い。


結婚式の招待客リストと、検索タブを閉じ、冷え切ったカフェオレを片手にそっと仕事部屋からキッチンに移動した。


お腹も冷えたし、カフェオレを電子レンジで温め直す。

電子レンジは調子が悪く、何もしてない時でも、ジッ…ジッ…と音を発している。

電子レンジも私が買ってから8年、中古で買ったのでそれ以上稼働していることは間違いない。

最近は天板を載せる部分が曲がってしまい、大きなお皿だと重心が傾き、回転が止まってしまう。


カフェオレを温めている間に、招待客をどうするかを再び考える。


彼は性格がきついのに、サークルの代表をやっていたりしたので友人も多い。

それに比べて私は、友人は少ないほうだ。

性格もきついのだが、未だに友人の作り方もわからないくらいに、人付き合いが苦手だ。


このままだと、新婦側の招待客少なすぎるなぁと思いつつ、彼が多くのお金を出すのだから新婦側はそこまで呼ばなくてもいいのか…とも思う。


何より、私を祝うために人に来てもらうことが申し訳なさすぎる。


以前、彼にその話をしたら友人に失礼だと言われた。

その言葉がずっと刺さっている。

そして、違うタイミングで同じ事を高校時代にも言われた。


電子レンジからピーっと音がする。

いけない、吹きこぼれてないかな?と慌てて、天板を確認する。

よかった、天板は元からこびりついている汚れそのまま乾いた状態だ。


温まったカフェオレを手にリビングで、Netflixを見始める。

今見ているのは海外のコンペティション番組でチョコレートを作っている。

コンペティション番組だが、参加者同士の人間関係が揉めるのも売りだ。


揉めなくてもいいが、見ていて気持ちいいよなと思う。

目的があって、言いたい事を言い合うことができるのは、仕事と似ている。


ぼーっとクリエイター達の戦いを見ながら、創作は難しいよなぁと思った。


誰にでも出来るが、他人に認められようとするとハードルが上がる。


私は美大出身で、入った初めと終わりこそ人間関係が悪化したものの、社会人8年目の今でもまだ連絡の取れる友人達がいるのは成長したと思う。


今はみんな、特に創作活動は行っていない。


あぁ、めんどくさいなぁ、、

昔から人を判断してしまったり、見下してしまう所がある。


あの子は親から認められずにクリエイターにはならなかった。

あの子は親から愛され、人付き合いもよくクリエイターになれた。

じゃあ、私は?


ここまで書いて気が滅入ってしまった。

この話は、ダメな友人、ダメな私、ダメな配偶者でも皆等しく愛すべき人間で、柔らかく

同じ社会で生きていきたいという話なのだ。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

親友 @ten-0610

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る