第222話 僕の嫁は女神、精霊、エルフ様! (4)
「うん、可愛い」と。
洋子ちゃんは頷くのだよ。
だからエルは、大変に気を良くした表情、嬉しそうな顔でね。
「洋子ちゃん、ありがとう」と。
また天女の笑み、精霊様、エルフ様の微笑みを、洋子ちゃんへと浮かべながらお礼を告げればね。
「でもね、エルママ……。エルママと同じような、大きな耳ならば。洋子も持っているよ」と。
ニコリだ。
ニコリと、なのだ。
僕の娘だと言われている洋子ちゃんの耳も、エルのような大きな笹耳だと告げてくるのだ。
だからこの場にいる者達。
僕やエル、洋子ちゃんの母親である美紀や、家の両親も一斉に。
「「「えっ!」」」だ。
「「「えぇ、えええっ!」」」と。
皆が仲良く揃って、驚嘆を漏らし、驚愕しながら大きな声音で叫んでしまったよ。
だってさ、僕の娘が言っている事、言葉を漏らした事は、冗談等ではなく、本当の事なのだから。
だって洋子ちゃんがエルに、自分も同じような大きくて可愛い笹耳を持っていると告げる。
告白をしてきたと同時にね。
洋子ちゃんの耳が。
僕達、この部屋、和室の大きな木目の机の前に座る者達の前でね。
『ボワ~ン!』と、効果音はないけれど。(笑)
大きくなったのだ。
だからこの和室にいる者達は、自身の目を、瞼を大きく見開いたまま驚愕──。
呆然と沈黙をしているよ。
特に大きな耳。
今の時代、令和の時代で言うところの、エルフな萌え萌え耳を見慣れている僕とエルでさえ、まさか自分達の娘が、笹耳を持ち、今迄、自身の母親である美紀にも内緒にしていたなんて思いもしない事。
想像すら、僕達皆は出来なかったのと。
この様子。
洋子ちゃんのお耳が、ロバの耳、ではなく。
大きくて可愛い笹耳持ちだとわかれば。
「……ねぇ、一樹? 私の言う通りでしょう。洋子ちゃんが、貴方の娘。魔王の娘だと言う事を、これで信じてくれたかしら?」
と、問いかけてきたから。
「うん」と頷く、僕だったのだ。
◇◇◇
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