第170話 えっ? 彼女?(2)

『ホッ』と、僕は自身の胸を撫でおろし安堵……。迄はよかった。大変によかった。本当に清々しく。晴れ晴れしい朝だと僕は、本気で思った。思ったのだ。彼女に声をかけられる迄は。


 そう。話しの冒頭シーンの通りだ。


 僕がエルの身体を労いながら見ていると。いきなり若い女性が声をかけてきたので。


(誰だろう?)


 僕は脳裏でこんなことを思い。呟きながら後ろを振り返り。自身の両目、瞼が大きく見開き。飛び出てしまう程驚愕したのだ。


『えぇ、えええっ! うそぉっ? うそだろうー⁉』と、言った感じ。様子でだぁ。


 だってこのスーパーマーケットと、と言うか? 今日僕達夫婦が販売をする。させて頂くスーパーマーケットに。僕の目の前でニコリと微笑みながら立つ女性の姿あるから驚愕──。してもしょうがないのだ。


 僕はすっかり彼女がいることを忘れてエルをこのお店へ。スーパーマーケットへと連れてきてしまう失態を犯してしまったのだ。


 だから僕は驚愕。声を大にして叫ぶでは済まされない。動揺、困惑、慌てふためいてしまうのだ。


『どうしよう?』、『どうしたらいい?』と、言った感じでさぁ。


 だって僕の目の前に立つ女性は、只のスーパーマーケットに勤めているお姉さんではないし。只の知人、友人の女性でもない。


 そう。僕の元カノ。彼女さんだった女性だから。僕の額や背から。冷や汗が湧いて垂れる。


 それも、中の肌着がびしょ濡れになるぐらいの勢いで一気に湧き垂れた。


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