第157話 エルフな勇者さまとの、新婚生活が始まりました(1)

〈パチ〉


〈パチ、パチ〉と。


 アパートの部屋の電気を夫婦仲良くつけて回る僕とエルなのだ。でっ、つけ終えれば今度は、冷えたアパートの部屋を、室内を暖めるために、コタツのコンセントを指し、『パチッ』と、快い音を出してスイッチを入れれば今度は、石油ストーブを『ジィ……』と、音を出しながら着火──。後はお風呂の準備と言いたいところではあるのだが。


 家のエルフで元勇者な奥さまはね。初めての日本での買い物。ショッピングセンターへの買い物──。その移動の最中に、ダイハツのショップのショーウインドー内に展示してあるミラのXXの横に季節。季節感を漂わせ、彩るためだろうか? 展示してあった大きなクリスマスツリーが大変に気に入る。気に入ったようでね。ワクワク、ドキドキ、自身の気を高ぶらせ、興奮をしながら。


「あの、クリスマスツリーって、本当にキラキラ光り輝いて綺麗だね。一樹! 一樹!」と。


 Nコロの小さなパイのハンドルを握る僕の二の腕の服を摘まみ、引きながら歓喜するぐらい気に入ったみたいなのだ。


 家の奥さまはね。


 だから僕はエルに、「そんなにクリスマスツリーのことが気に入ったの、エル?」と、自身の首を傾げながら尋ねてみたのだ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る