第150話 エルフな勇者さまは、クリスマスの飾りの艶やかさに驚愕!(13)
僕は嬉しそうに話しかけてくるエルに、自分自身の首をまた傾げながら問いかける。
「お母様。お父様に強引に攫われて、連れ去られて幸せだった? と、私はね。お母様に尋ねてみたの……。するとね。お母様は? その時は正直驚いたし。泣き叫びもしたみたいだけれど。人種の軍が亜人達の国に攻め込む時は、女性や子供を強引に攫っていく事は良くあることだからと。亜種族同士の争いや集落同士の争いでも人攫いは良くある事だと。お母様のお父様やお母様にも聞いていたから。争いが起これば直ぐに逃げるか、隠れるかをするようにと、注意を受けていたらしいから諦めて。お父様に対して、大人しく殉じて尽くし。奉公をして。奴隷として人買いに売られないようにだけ試みよと思い。決意をしたみたいなの」と。
エルの話しを僕は、ここまで聞いて、余りにも今の日本……と、言っても? ちゃんと昭和の終わりの頃の話しだからね。
まあ、その時、過去に僕が聞いても、余りに非現実的過ぎる世界観の話。会話、説明をエルは僕にさらりと、何も気にした素振り。まあ、良くある話しのように淡々と話してくるから恐怖の余りと言うか? 非現実的な世界観に驚愕、困惑をしながら。
「あっ、そ、そうなんだ」と。
僕は、しどろもどろと、台詞を詰まらせながら言葉を返す。
そんな様子の僕に対してエルはやはり気にもしていない様子でね。
「するとね? 家のお父様が、お母様の顔色を窺いながら。儂の妃になるお前には、今後何の不自由もない暮らし、生活……。そう、お姫様やお嬢様達のような煌びやかに着飾った華やかな生活、暮らしを一生させてやるからな、娘……。だからお前は何も心配するな。明るく笑っていろ。微笑んでいろ。儂の為にと。お父様がお母様に、求婚の言葉として告げてくれたみたいで。本当にお父様の屋敷に着いたら。直ぐにみすぼらしい服から大変に綺麗なドレスに着替えさせられて。大きな立ち鏡に映る、自身の身体、容姿をお母様は見て驚愕し。直ぐに歓喜したみたいでね」と。
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