第95話 元エルフな勇者の凶変(6)

 ううう、うっ、つう。いっ、と、大変に情けない話し。男の話しではあるのだが。僕の悲痛な声色と、己の顔を両手で覆いい隠し、ガードしているように見える。情けない男である僕の容姿と様子を見て確認をすればわかる。想像がつくとは思うのだが。


 僕が自身の妻である元勇者らしいエルの顔に、流石に己の強く『グゥ、グゥッ』と握った鉄拳を加えるのは悪い。忍びないと思い。張り手に切り替えて、エルの頬を打とうとしたら。僕は逆にエルから頭突きをもらう。される。入れられてしまった情けない男……。その上さ、悲痛な声、叫びまで漏らしてしまい僕は男、夫の威厳もない情けない男状態へと堕ちいってしまった。


 でもエルは、そんな情けない男状態へとおと陥った僕のことを安易に許してはくれないのだ。


 だって僕は、女性の命である髪の毛──。


 そう僕のエルが持つ、エルフな美しい金髪ロングの髪を後ろから強引に引っ張った者だから安易には許してくれる訳でもなく。


「一樹ぃっ!」と、僕を荒々しく叫び、呼んだと思うと。


〈バチン!〉


〈バチン!〉と、なのだ。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る