第84話 勇者の気落ち、落胆。涙(5)

「ごめん。ごめん。エル……。僕が悪い。僕が悪いためだから、本当にごめんよ、エル……。エルは全然悪ない。悪くないよ……。僕の命を救ってくれたのだから」と。


 僕はエルにすまない、申し訳ないと、謝罪をしつつ。


 自身の両目からポロポロと涙を流しつつ、謝罪をしたよ。


 僕が不埒者……。


 エッチ! スケッチ! ワンタッチだから!


 こんな大変なこと、不幸が起きてしまったのだから。


 僕は、自身の両目からポロポロと涙を流しつつ謝罪をおこなう。


 そんな僕のことをエルは、本当に彼女の言う通り。


 僕のことが子供のように可愛くて仕方がないから。


「うぅん、うぅん、違う。違うの。あなた……」と。


 エルは自身の首を振りつつ。


「陛下……。陛下は悪くはないの……。私のお腹にいた子の魂、命がなくなったのは。母親である私が軽率な行動をとったから悪いの……」


「それに私が同じ亜人の癖に。沢山の亜人達を殺し、虐殺をしてきたから。魔族の神々からの罰が、同じ亜人族の私に、降り掛かり落ちてきただけだから。陛下は悪くはないよ。本当に」と。


 エルは自戒をしつつ、弱々しい声音で僕に告げつつ、ギュ~! と抱き締めてくれた。


 そして僕の頭も幼子をあやすようにエルは、ヨシヨシと優しく撫でてくれて。


 最後には僕に頬ずりまでしてくれつつ、愛してくれた。



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