第62話 誤解?(8)
魔王と勇者の禁断の恋と婚姻と言う奴をして欲しいと切なく思うだけなのに。
このひと! 陛下は! 私に言い訳ばかりをしてくるから。
私は魔族の女王としての振る舞いで、夫へと折檻──!
いくら私の大事な旦那様であるからと言っても大目に見ると言う事はしない。
だって夫の事を家のお母様みたいに放置……。
まあ、好き放題と言う奴をさせていると、ろくな主人、夫にならないから。
私はお母様とは違うので、陛下へと折檻をおこなうのだ!
「うぎゃ、あああっ! ぎゃぁあああっ! もう、許さない! 許さないからっ! 陽かー! あなたの事はぁあああっ! いくら、あなたが私の大事な旦那様であろうともー!」
私は魔王へと呻り、吠え、咆哮──!
陛下の耳や喉元へと噛みついてもやった!
でッ、その後は?
私は大事な、陛下の首に回している、自身の二の腕を更に──。
ギュッ! ギュウ~! ギュ~! と絞めてやるの。自身の口から「ふっ、ふふふ」と冷たく微笑みつつね。
だから私の陛下の口からは更に。
「うぎゃ、あああっ! 死ぬ! 死ぬー! 本当に死んでしまう」と絶叫──。断末魔に近い声音が吐かれるから。
「ああ~。死ね! 死ねー! 死んでしまえぇえええっ! 妻―! 妃である私を名が城にして、捨てると言うのならばぁあああっ! とっとと死ねぇえええっ! 死んでしまえぇ、えええっ! 私が殺してやる! 殺してやるからぁあああっ~! 今直ぐに死んでしまえぇえええっ!」と。
私自身が心にも無い事を荒々しく呻り、吠えればね。魔王の口から。
「うぎゃ、あああっ! ぎゃ、あああっ! 死ぬー。死ぬー。死んでしまうー。助けてぇえええっ。助けてぇえええっ。お願いだぁあああっ! 許してぇえええっ! 許してください。お願いします。責任はとる。とりますからぁあああっ! 俺の事を許して頂戴~! お願いします~、奥さまぁあああっ!」と。
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