第46話 宇宙人様は昨晩悪の組織の王と争ったみたい? (1)

(う~ん、どうしよう? どうしたら良い?)と、私は、自身の脳裏で嘆き、困惑を始めている。


 だって私は昨晩の記憶が徐々に回復……。戻ってきているから己の顔色が変わる。


 まあ、変わってしまったよ。


 それも真っ青にね!


 だって勇者の私は昨晩、魔王城の謁見の間にて魔王──。彼と対峙して争い!


 勇者である私が彼を追い詰めたのだ!


 そう、確かに私は魔王やつの事を追い詰めた筈なのだ!


 でも私は、あいつに勝利したのか、敗退したのか。私には、その辺りの記憶が無いのか? 私は解らないでいる。


 だから勇者の私は天井からぶら下がる奇妙な器具を見詰めながら動揺、困惑を始めている。


 だってベッドに横たわる私、ッて!


 えっ! あれ?


「…………」


 私の身体はどう見ても? ベッドの上では無く床だ!


 それも大変に奇妙な床……。土間や板の間ではない床……。



 そう、これは草……?



 まあ、何か草を干し乾かした物を編み、製作した床なのだろうか?


 私はその草の床に直接、掛け敷のシーツではないな? これは?


 だって私が横たわる、このシーツの中には、大変に柔らかい物、素材を詰めた──掛け敷のシーツの上に。勇者の私は、どうやら横たわっているようなのだ。


 それも見知らぬ部屋……。大変にオス臭がする部屋で、私は横たわっているようなのだが?

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