第39話 帰宅(1)
「ふぅ、やっと着いた。着いた」と。
僕は思わず声を。
そう、安堵感から独り言を、ついついと漏らしてしまう。
だってさ、やっと僕が親元を離れて、一人暮らしをしているアパートの駐車場へと無事……。
そう、何事もなく宇宙人さんを僕のアパートの駐車場までは連れて帰ることができたからね。
僕はホッ! として、胸を撫で降ろす。
だって僕と宇宙人さんの、ここまでの道のりなのだが。
中国山地の中腹ぐらいにある町から帰宅の途に就く訳だから。
安佐北区の壁の街まで降りるまでは、道路の方は。
急な下り道と急なカーブばかりの、クネクネとした道ばかりだから。
僕は急カーブでハンドルを切る──切り終える度に後ろ。
後部座席を確認しては、宇宙人さんの様子を窺う。
彼女の状態が急変──。
宇宙人さんの体調が悪くなっていないか? を確認した。
すると彼女の状態は水分を取り。
自身の冷えた身体を、車内のヒーターで温めた為か?
僕と彼女が最初に出逢った場所である。
中国山地の山の中にある農協の購買部で出逢った時よりも。
彼女の荒々しい息遣いの方は安定……。
そう宇宙人さんは、僕の前方で。
正常な息遣いをしているのが一度だけではく。
何度も見ることができたから、僕は安心することができた。
農協の購買部から僕のアパートまでの帰宅時間は、おおよそだけれど。
二時間半から三時間近くかかるのだが。
それでも僕は、安心することができたけれど。
只、宇宙人さんは、腰の方が痛く! 悪くならなければいいのにと。
僕は思ったよ
だって営業車タイプのワゴン車の後部座席に座ったことのある人達にならばわかると思う?
営業車タイプの車の後部座席のシート内にはスプリング等、基本入っていないから。
シートが乗用車のシートのように柔らかい物ではなく。
大変に固い状態だけではないね?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます