最終回 年越しのにしん
【登場人物】
・
大晦日に「年越し
蕎麦」の出前を手
伝っている。
・
自宅は代々続く髪
結床。同。
・
アウト専門の甘味
処。同。
・
吾郷達が「年越し
蕎麦」の出前を手
伝ってくれている。
・
B&B(ベッド&
ブレックファスト)
を経営している。
大晦日は千歳の店
を手伝っている。
・
司。同。
「最終回 年越しのにしん」は、公開中の
作品『ここはカイラーサ』の登場人物と設定
で制作しました。
──────────────────────
① 八坂神社・表参道(夜)
──俯瞰→やや俯瞰になって。
T『京都』
ライトアップされている八坂の塔。そ
の先に清水寺が見えている。人通りが
多い。その中に基樹の姿。白い息。早
足で歩いて来る。
T『大晦日』
②
──低めの俯瞰で。
軒に『蕎麦処』の
③ 同・店内(夜)
出入口を避けて立っている基樹。
ちを持った隆史、出て行き乍ら、
基樹「(隆史に)いってらっしゃ~い」
──真横からの視点で。
混んでいる店内。賑やかな声。各テー
ブルの蕎麦
美味しそうに年越し蕎麦(にしんそば)
を食べている。その店奥(下手)のカ
ウンターに千歳。三角巾にエプロン姿。
基樹、カウンターに歩き乍ら、
基樹「遅くなってゴメ~ン」
基樹「うん。後は、父さんと兄さんがするっ
て」
④ 同・厨房(夜)
カウンター越しに見えている店内。店
側に並んでいる基樹と千歳。その手前
(厨房)から、できあがった年越し蕎
麦(にしんそば)がカウンターに置か
れる。と、店側から受け取る明日香。
三角巾にエプロン姿。
基樹「僕、どこに行ったらいい?」
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千歳、カウンター上部に掛けられてい
る出前伝票を手にして、
千歳「じゃあ、山田さん」
⑤ 同・店内(夜)
千歳達の傍に吾郷。岡持ちに年越し蕎
麦を入れている。
千歳の声「ここの山田さんね」
基樹の声「解った」
吾郷、ふと手を止める。と、
年越し蕎麦を手にしている吾郷。頭上
に裸電球がパッと灯って(漫画調)、
その傍に雅美。三角巾にエプロン姿。
手に年越し蕎麦。
⑥ 商品紹介
美味しそうに湯気の立っているカップ
麺(そば)に、ふっくら甘辛炊きの大
きなしいたけと半月切りの大き目かま
ぼこが乗って、
吾郷のN「じっくり炊き上げた
けと
続いて、一口サイズのほうれん草と九
条ネギが乗って、
吾郷のN「
最後、一番上にドドーンと大きな棒炊
きニシンが乗って、
吾郷のN「そこに、
乗せて!」
T、大袈裟な程の大きな文字で、ドン
! ドン! ドン! と一文字ずつ、
T『超豪華!』
手のカップ麺をぐいっと突き出してい
る吾郷。蓋に『京風 年越しのにしん』
『年末限定発売!』の文字(『京風』
を強調)。自信満々の笑顔で蓋を指し、
吾郷「(傍点強調して)マルちゃん『京風
年越しのにしん』! 年末限定発売です!」
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⑦ 蕎麦屋・前(夜)
──低め俯瞰で。
吾郷の声「って、あってもえぇン
ち。
基樹「(吾郷を無視して)行って来ま~す」
⑧ 八坂神社・表参道(夜)
──やや俯瞰→俯瞰になって。
雅美「(0FF)えぇから出前に行けッ!」
人通りが多い。その中に基樹の姿。白
い息。岡持ちを持って歩いて行く。吾
郷のセリフに蕎麦屋の客達、「あはは
はは」と笑い声。
T『今年も一年、ありがとうございま
した』
ライトアップされている八坂の塔。そ
の先に清水寺が見えている。
T『来年も変わらぬ御贔屓を、どうぞ
よろしくお願いいたします』
SE『ゴーン』と遠くに除夜の鐘。
⑨ マルちゃんマーク
フレームの外から一斉に顔を出す吾郷
達。それぞれ手にした『赤いきつね』
『緑のたぬき』を見せて、
吾郷達「(元気よく)おッしまーい!」
SE『ドドンッ!』と軽快な太鼓の音。
最終回『年越しのにしん』終
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注:シーン⑥の「棒炊きニシン」とは、身欠
きニシンの甘露煮の事です。
この「棒炊きニシン」を蕎麦とあわせた
京都の「にしんそば」は、明治に入って
からの京の名物料理ですが、現在では年
越し蕎麦の定番としても親しまれていま
す。
なお、ニシン漁で栄えた北海道の江差町
や留萌市、小樽市では、京都とは一味違
った郷土料理の「にしんそば」を食べる
事ができるそうです。
佐久良 燎
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