草むしり

連休、山の家で

夏が来る前に

もう生えはじめた草を

とりあえず

目につくところから重点的に


麦わら帽子を被り

軍手をした手で

とにかく引っこ抜いていく

雑草はたくましく

なかなか手強い


ちょっと贔屓ひいきして

好きな野薊のあざみはそのままに

カラスノエンドウ、シロツメクサも

だから、山の家の庭は

じつは野草の宝庫


ふう……と、ひと息つけば

頭上から鳥たちの鳴く声が降り注ぐ

こずえを気持ちよい風が揺らしていく

雑草は抜かれても刈られても

また生えてくる


この自然の生命力よ!


草むしりをしながら

わたしはつらつらと思いにふける

そして、いつの間にか

強ばっていた心が

ほどけていることに気がつく


ここは緑の故郷ふるさと


わたしはこの場所が好きだ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る