夜の音

ザッ……ザッ……ザッ

これは降り続く雨なのか

それともわたしの中を

巡っている血の流れなのか


内と外の境界線は

こんなに曖昧なものだったっけ

じんわりと滲んでいる

なんて頼りない


昼間の湿気のベタつきが嘘のように

首筋の汗ばんだあとが冷える

赤くらした目をこすりながら

痛みよりもかゆみに苛立っている


ザザッ……ザッ……ザッ

身の内に巣食う夜の音が

変に大きく響いて

今夜もわたしを眠らせない

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