ガオー

世の中に

喧嘩を売りたくなるような時が

あるのだと言ったら

あなたはどんな顔を

するかしらね


胸の中で

わたしは時々

夢想する

凶暴なケモノになって

吠えるわたしを


結局

出てくるのは

ガオー

しょぼくれた叫びだけど

それでも


平気じゃないことぐらいは

声をあげたい

誰の為でもない

自分の心が

死んでしまわないために


だから、みっともなくても

吠える、どんな掠れた声でも


ガオー


心を

声を

失わないために


ガオー

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