哭く声

ひどく底冷えのする夜

風がひゅるひゅると細い声で

いています


眠れないのか

眠りたくないのか

わからなくなったわたしは

灯りをつけて

読みかけの本を手にします


何故だか

言葉として入ってこなくて

文字の羅列られつだけを

視線が辿たどるばかりで

心がゆらゆらと定まらないような



ひどく底冷えのする夜

風はむせぶように

き続けています


わたしは風のく声を聴きながら

さっきから心は

同じページから進めないままで

彷徨さまよい続けているのです


この夜を

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