いいのいらないの

いいのいらないの

傘は壊れて失くしたの

結局、雨の日は少し早足で

靴をカパカパさせながら歩く


新しい傘のことを

考えたリもしたけど

雨の中をこうして歩くのにも

慣れてしまって

だから、もういいのいらないの


そういいながら、それでも

すれ違う傘の中か

とても、あたたかそうに見えて

少しだけ泣きたくなるのは秘密


いいのいらないの

傘なんていらないの

うそぶいてわたしは笑う

空を見上げながら

いいのいらないの



睫毛まつげの先から

雨粒か、ひとつ落ちる

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