第155話 ウォンの策(4)
でも、冒頭シーンの通りで、今何とか二人の男達をウォンが仕留めたと同時に戦局が代わりだすのだ。
だって敵兵達が持っていた。所持していた鋼の戟をウォンは手に入れた訳だから。ここからがウォンの反撃のシーンになるのだ。
そう。彼は、自身が倒した敵の護衛兵達二人が所持していた戟を両手で握れば。
「うぉ、おおおっ!」と。
ウォンは、自分を取り囲もうする敵兵達へと号哭を放ち、威嚇を始めながら檄を構える。構え終えれば。そのまま敵兵達──。
自分自身の元家臣だった者達へと。
「お前達、命が惜しければ、道を開けろ! 開けるのだ!」と。
荒々しく告げながら、己が所持、握る戟を振るい下ろし。振り回す。
「そんな事はできません将軍! 我等はもう既に、二国の王健太の、直属の家臣であり。名誉ある王の親衛隊ですから。王の命に背く訳にはいきません」と。
元自身の率いる女王アイカの近衛隊の副将をしていたダイがウォンへと、いくら元自分達、二国の王健太の親衛隊達の上司、上官、主だったとしても。主の罪で職を失い路頭に迷いそうになった自分達のことを再度重要なポストへと誘い。取り立ててくれた健太のことを、忠義を無くし、裏切る。他人に後ろ姿を指されること……。
そう、ウォン将軍のように、一度自身の命を救ってくれた王への忠義を無くし、騎士らしくない邪なおこない。王の妃へと強引なまでの猥褻行為と不倫……。そしてNTRを平然とするような男。人の道から外れるような行為を平然とする男にはなりたくないと、言った意思と姿勢を無言で顔に出しながら。二国の王健太の親衛隊の隊長であるダイは、己の所持する戟を元主であるウォンへと向けて、刃先を『キラリ』と、光らせる。
その他の者達、親衛隊のメンバー達もウォンのことは取り逃がさないと言った姿勢を勇んで見せる。
「うっ、ううっ、致し方がない。では参るぞ! 貴様達!」と。
ウォンはどうしても、道を開けぬと申してくる、己の元家臣達へと呻り。戟を振るう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます