第126話 可愛い王様の嫉妬と怒り!(18)

『フン!』、『フン! フン!』と無言で。シルフィーは健太へと己の脳内から。健太が産まれ育った国、異世界日の本の真夏の夜を賑わい奮い。震え立たせる怪談話に登場、出演をしている悪しき、物の怪、幽霊のヒロイン達みたいに。


「(歯痒い)」、


「(歯痒いの、あなたのこと……)」


「(あなたのことが、歯痒くて、歯痒くて、仕方がない。仕方がないの、あなたのことが~)」と、何度も不満を呟く。漏らしているのだ。


 と、なれば? 二国の美少年王健太は、自身の産まれ育った異世界日の本の、昭和の時代に流行った。流行りをみせた物言い。


『僕に惚れた。お前~。シルフィーが悪い。悪いのだろう~』と。


 演歌調な口調で、自身の本当の妻、妃であるシルフィーへと告げる。と、言うことはしない。しないのだ。


「(アッ、ハハハ~。ご、ごめんね。シルフィー……。そんなに僕のことを怒り。憎まないでよ。お願いだから……)」と、謝罪をする。


「(おいで~。シルフィー)」と優しい声音でシルフィーへと告げる。


 でも、健太の妻であるシルフィー自身は、不機嫌極まりない様子だから。安易に、自身の夫である健太のことを許す気は、というか。つもりは全く無いので無視。無視をする。続けるのだ。と、いうことはない。

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