三日かけて作成した美少女キャラで遊ぼうとしたら、「ネカマは死ね」とゲームから追放されました。現実で世話します。ボクを追放したプレイヤーはアカウント永久停止になりました。
第1話 ゲームから追放されて、どうしよう!?
三日かけて作成した美少女キャラで遊ぼうとしたら、「ネカマは死ね」とゲームから追放されました。現実で世話します。ボクを追放したプレイヤーはアカウント永久停止になりました。
椎名富比路@ツクールゲーム原案コン大賞
第1話 ゲームから追放されて、どうしよう!?
今ボクは、ベッドの上で女性に押し倒されていた。
厳密には、フルダイブゲームをやろうとしていたボクの上に、この女性が振ってきたのである。
ここは二階建てのアパートだが、ボクが住んでいるのは二階だ。
天井が破れたわけでもない。
生身の女性とはいえ、この子の見た目はボクのゲーム内アバターとそっくりだ。
というより、彼女はボクのアバターそのものだった。
つまり、この子「も」ゲームから追い出されたのである。
ボクと同じように。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
始まりは、ついさっきだ。
「んだよネカマかよ、死ね!」
男性プレイヤーが、ボクをナンパしに来たのである。
三日もかけて作り込んだ最高の美貌だから、惚れられるのも仕方ないのだろう。
しかし、ボクがネカマだとわかると、相手は手のひらを返してきた。
まあ、ボクだってこんなヤツと一緒に回りたくない。
ボクがネカマであるというウワサはまたたく間に広がって、拡散してしまった。
誰もボクに声をかけてこようとしない。
仕方なく街へ出ると、運営から連絡が。
【
そんな無慈悲な!
「どういうことですか?」
【あなたをナンパした方は、運営の身内でした。不快な思いをさせて、申し訳ありません】
「だったら、ゲームを続けさせてください」
【それが、「あの男がいるなら運営を手伝わない」と言われてしまいました】
雇われも、大変だな。
それで、ボクはアカウントを停止させられた。
しかし、問題はその直後に起こる。
「きゃああああ!」
女性キャラが、フルダイブ中のボクにのしかかってきた。
ドシンという生暖かい感触と、適度な弾力がボクの胸に。
ヘッドセットを外して、様子を伺う。
本当に、ボクの身体の上に生身の女性がのしかかっていた。
ボクの上で、目を回している。
現代日本であまり見かけない、際ど目のファッションである。
なんといっても大きなバストだ。
大きすぎず小さすぎず、ちょうどいいサイズである。
こんな奇跡のようなスタイルを、リアルでお目にかかれるとは。
まるでゲーム世界から飛び出してきたような。
いやいや。この子はまさしく、ボクがさっき作ったアバターそっくりじゃないか!
うん。まぎれもなくボクが作ったゲームキャラで間違いない。
初陣だったので、武器等は携帯していないが。
顔立ちは人間そのものだ。
「ボクのアバターでコスプレをしたお姉さん」に見える。
「ごめんなさいぃ。おケガは?」
女性は飛び起きて、ボクから身体をどけた。
「ありません。キミは?」
身体を起こして、ボクは少女に問いかける。
「わたしはセーナ、あなたが作った、ゲームのアバターです!」
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