硝子の聖女~スケベ猿が薄幸美少女に転生した結果~
018 アレン君の天国な地獄。或いは1人のいたいけな男の子の脳味噌が破壊されるお話。或いは勘違いタグはこの為に付けました。或いは変態「あ゛れ゛ん゛く゛ん゛か゛わ゛い゛な゛あ゛あ゛あ゛」
018 アレン君の天国な地獄。或いは1人のいたいけな男の子の脳味噌が破壊されるお話。或いは勘違いタグはこの為に付けました。或いは変態「あ゛れ゛ん゛く゛ん゛か゛わ゛い゛な゛あ゛あ゛あ゛」
「~~~~♪」
すりガラスの向こう側。
浴室にて、ご機嫌に鼻歌を歌いながら、体を洗っているクリスの影が踊っている。
そして、アレンが脱衣所にてその光景を心配そうに見ていた。
時間はニフトの襲撃を乗り切ってから少しした後、未だ陽が沈み始めるよりも前である。
何故、こんな状況になっているのか。
まずはそれを説明しよう。
自分以外の者に迷惑が掛からない行為なら、凡そ本当になんでもする気であったし、その決意が大袈裟だもは別段思わ無かった。
何せ人の蘇生である。
クリスが金銭なんて即物的な物を大量に欲しがるとは今更思ってはいないアレンだが、それでも敢えて金銭的価値で考えるなら、それは計り知れないほどだろう。
人によっては、一国を買える程のお金だって、躊躇わずに払う程の奇跡だろう。
それを考えれば一生を懸けて恩を返すなんて、やって当たり前の事であり、寧ろそれでも返しきれるかどうか……、と言うのがアレンの気持ちだった。
何も言われずともクリスに恩を返して行く決意のアレンだが、しかし余計なお世話と言う言葉もある様に、出来れば本人の希望を叶えるほうが望ましい。
寧ろ、頼むから何でも言ってくれ、という感じですらある。
さて、そんなアレンに対し、クリスはたった1つだけ早速望みを伝えた。
それはとても簡単な事。「お風呂に入りたい!…………アレン君と一緒に」と言う事だった。
その要望を聞いたアレンは、そんな
その言葉を聞いたクリスが、あれ?本当に良いの?????と何故か困惑していたが、別に構わないに決まっているだろう。
というか、そんな簡単な要望を断るほど、自分は狭量に見えるのだろうか?と少しショックを受けたアレンであった。
ただ、まずは血を一杯吐いていたことだし、医者に体を見せるのが先では無いだろうか?とクリスに提案したアレンだったが、その途端クリスが何かすごい剣幕でまくし立て始めた。
曰く、今直ぐ入りたい!!!!ほら、体を清潔にしてからじゃないと治療も出来ないでしょ!!!!それに医者に見せるより、一緒にお風呂に入ってくれる方が回復するから!!!!!なんて事だった。
まあ、確かに色々と規格外のクリスがそう言うのなら、そうなのかな?と思わないでも無いアレンであった。
少なくとも出来るのなら体を清潔にしておいた方が良い、と言うのはそうだろう。
無理して風呂場で倒れたりしないか、キチンと見守らなければと言うのを考えれば、一緒に入るべきだとすら思った。
それに、こんな事は恩返しの内には入らない。
何故ならアレンだって、ワクワクしないでも無いのだから。
アレンは元貴族であり、貴族を追放された後も一般的な子供の物とは無縁の生活を送ってきた。
それ故に、何と言うか所謂庶民的な事にちょっとした憧れがある。
だから、ほら!如何にも普通の子供っぽい事で、面白そうだろう?――
まず、体を綺麗にするから、アレン君はその後入って来てね、と言われたので、クリスが体を洗っている間、待機している次第。
その合間に、アレンはクリスの事について思い返していた。
――クリス。
クリスの夢は、沢山の人と仲良くなる事だったが、彼なら直ぐにそれが叶うだろう。
そう思えば、こうやって体を清めるのは、その夢の第1歩になるとも思う。
人間大事なのは見た目では無いが、それでもやはり第一印象に見た目は大きく関わってくる。
最低限、体を清潔にしておく事が、他者に悪印象を与えない上で大事な事であり、素晴らしい心の持ち主であるクリスが、見た目で他者に敬遠されてしまうのは、アレンとしても心苦しい。
それなら、後で髪も切ったほうが良いかも、と考えた。
髪を切る余裕も無かったからだろうが、クリスの髪はかなり長い。
それに栄養が殆ど取れていなかった所為か、体も華奢だ。
あれでは場合によっては女の子だと勘違いされてしまうかもしれない!
――いや、流石にそれは無いか。HAHAHAHA!とアレンは微笑んだ。
「アレ、ン、君。入っ、て、いい、よ」
「分かった今行くよ」
体を洗い終わったのか、クリスから声が掛けられた。
「足。元。気を、つけ、てね!」
成程確かに。相手の体を心配している筈の自分がはしゃいで、すっ転んで怪我でもしたら良い笑いものだろうと、アレンはしっかりと足元を見ながら風呂場に入る。
「ああ、クリス。怪我は大丈夫だった?辛く、無――――――――――――」
そうして、アレンは前を向いた。
……向いてしまったのだ。
――そこに、【天使】が居た。
老人の如き、乾いて水気の無かった白髪は、艷やかに滑らかに光沢を放ち、光り輝いている。
そうなることによって、何処か不気味に感じられた赤い瞳が、それ自体はそのままに、されど妖艶で妖しげな魅力を放ちだす。
埃と泥で薄汚れていた肌は、しかしそれが洗い流された途端、新雪の如き白さを現し、傷も、シミも、ましてや吹き出物1つ見えはしない。
長い前髪で隠されていて、それを後ろに纏めたことで露わになった顔面は、神が直々に創り出したもうたと思わんばかりに整っており、あんな食生活を送っていたというのに、歯並び1つすら崩れておらず、その色も綺麗な純白だった。
こびりついていた腐った生ゴミの臭いはすっかり消え去って、アレンと同じ石鹸を使ったはずなのに、少し嗅いだだけで頭がクラクラしてくるような、そんな芳しい甘い香りが辺りに漂っている。
目の錯覚か何かか、最早全身が淡く発光している風にすら、アレンには見えた。
「――――――――――――――――――――――――――――――――ぇ?」
そして何より。思わず見てしまった体の下の方に、アレンにも勿論付いている、男には必ず付いている
アレンの脳が活動を停止した。
しかし、心臓は正反対に、爆発しそうなほどに、鼓動を早める。
頭が途轍もなく混乱する中、アレンはそれでも何とか言葉を絞り出した。
「……クリ、ス。…………女の子。…………だったの??」
言ってしまってから、自分はなんて失礼な事を!と慌てたアレンだったが、当のクリスはまるで気にした様子が無かった。
ただ一瞬、目を丸くして驚いたような表情を浮かべ、その後に納得した!とばかりに、手をポンッ、と叩いた。
「一、応?」
一応ってなんだ。一応って、とクリスのその答えを聞いて、アレンの思考が高速で、自分にすら制御できないほどに明後日の方向へぶっ飛び始める。
――クリスが女の子だった。それは分かった。自分が勝手に勘違いしていた。
確かにそれは……、勘違いした事は自分が悪い。
それは認めよう――認めざるを得ない。
同年代の男友達が欲しいという自分の思いが、無意識的に目を曇らせていたのだろう。
周りもそんな自分の態度に釣られて勘違いをしていたのだろう。
だから、その事については、何の言い訳も無く自分が悪い。
けれど!けれどもだ!!!!
男の子か、女の子か判断が付きかねる容姿であったのは確かなのだ。
勿論、それはクリスの所為では無い。余りにも酷い生活水準に追い込まれてしまったが故の物だろう。
たとえば
そして、その後に失った美しさを取り戻そうとしたら、少なくとも同等の歳月が必要な筈だ。
だって美は1日にして成らず。
男である自分ではそこまで理解が及ばないが、だからこそ世の女性は必死に美しくなるための努力を続けているはずなのだ。
例えば、かつて読んだ大衆小説で出てきたシーンの如く、奴隷をお風呂に入れたからといってイキナリ美少女に変貌するはずが無いのだ!
仮にその素質があったとしても、結果に至るには、それ相応の時間がかかる――それが現実というものだ。
だから、こうは成らない。
成らないのだ!!!!!
……………………チラッ。
成 っ て る じ ゃ ん !!!!!!!!
何?何なの???????
人間は乾いたタオルじゃ無いんだけど?????????
水をかければ直ぐ元通り!!じゃないんだけど???????????
5分。5分だぞ!?
クリスが体を洗っている時間は、そんな程度の物だったんだぞ!?
どうしてそんな僅かな時間で、一応元貴族の自分が、一目しただけでこんな事になる美少女に変貌しているんです??????
美の化身か何かでいらっしゃる????????
おかしい。こんなの絶対におかしいよ!!!!!!!!!
――ハッ!真逆、幻覚!?幻覚なのか。
そうだ、きっと未だニフトの【邪視】の影響下にあるのだ!そうに違いない!!
くっそ~~~。あの野郎、なんて物を見せやがる!!
あ り が と う ご ざ い ま す ッ !!
……い、いや違うっ!そんな風に思っていない!!!
――ここまで5秒。まるで死を間近にした走馬灯の様に、アレンの思考は荒ぶっていた。
だが仕方の無いことだろう。
大悪魔がオマエ絶対に体綺麗にするなよ!!とフリではなく何度も念入りするレベルの美貌。
産まれる時に手違いで、全てのステータスを魅力値に極振りしてしまったかの様な、と言われるレベルの女だ――面構えが(文字通りに)違う。
しかも恐ろしいのは、これで未だ完成形では全然無いということだ。
栄養が足りなくて、痩せすぎであるし、顔色だって悪い。
多分、磨ききった場合の美しさを100とするのなら、今の数値は10位だった。
やはり美の化身…………?
尚、アレンの意識が明後日に飛んでいるその間に、クリスがこっそりと素早く浴室のドアを締めて鍵を掛けた上、ドアとアレンの間に立って、簡単には出られないようにしていた。
自分の部屋に、騙して子供を連れ込んだ不審者の手口を止めろ!!!!!
最早、思考がグチャグチャに成っているアレンであったが、しかし現状をマズイ!とだけは認識した。
まだ湯船に浸かってもいないのに、脳味噌が鍋で沸騰させられているかの様に茹だって、何がマズイのか上手く考えられなかったが、とにかくマズイ!!とだけは思った。
「ああああああああああああああああ、のののののののののののののののののの」
もしやア○ルにバ○ブでも挿れてらっしゃる?ってぐらいに言葉が震えるアレンだったが、何とかかんとか言葉を形にする。
「やややややっっぱぱぱぱぱ。オオオレレレ、出出出出てててて――」
「私、友、達と、一緒。お風、呂、入り、たい、思っ、た。だけ、ど。アレ、ン君。私、と、入る、のヤ?」
「かひゅっ――――」
目を伏せて悲しげに話すクリスの様子に、アレンが呼吸困難になったかの様に息を吐き出した。
異性だから不味いと言う当然の話を、さり気なく友達としてどうかという話にすり替えているのが、ポイントが高い部分である。
だがしかし、そんな部分に気がつけるほど今のアレンに余裕は無かった。
――きっとクリスは純粋なんだ。
あろうことか、アレンはそんな答えにたどり着いてしまった。
未だ子供のクリスに男女云々なんて関係なく、ただ純粋に友人と楽しみたいだけなのだと……。
そう考えると、焦って出ていこうとしている自分の方が過剰反応で、逆に恥ずかしいことに思えてしまう。
「……べべべべつに。嫌では無いけどっ…………」
「じゃ、あ。体、冷め、る、から。早く」
「わっ!く、クリス。押さないでっ!」
言質を取ったその途端に、クリスが強引にアレンの体を浴槽へ押し込んだ。
そして自分も、そそくさとお湯に浸かりだす。
さて、此処でアレン君曰く純粋らしいクリスちゃんがどう思っているか見てみましょう。
覚悟の準備は宜しいですね?
(あ゛れ゛ん゛く゛ん゛か゛わ゛い゛な゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛)
ポリス!ポリィィィィィィス!!!コッチです!!!コッチに不審者が!!!!
子供を襲っていますっ。早く来て下さい!!!
間に合わなくなっても知らんぞぉオオオオオオ!!!!!!!!
最早、当然分かっていると思うが、ある意味純粋(に変態)だとは言えるが、アレン君が考えているような意味での純粋では無い。
こんな変態が美少女の体に入っていてとても残念――と言えないのが、ある意味更なる残念な点であった。
どう言う意味かと言えば、クリス(魂)は非常に癪ではあるが【超越者】であり、その魂に秘められた力は一般人と比べて桁が違う。
つまり、なんと言うかだ……。乗ってしまっているのだ。
こう、超常的な威圧感とか、神様めいた神聖さ的な物が。
先程アレンはクリスの全身が輝いている様に見えると思ったが、それは違う。
結果として今のクリスは、普通の意味での可愛いや綺麗、と言った人間的な美だけではなく、偉大な芸術や広大な自然を鑑賞した時に感じるような美すら獲得していた。
今の彼女の状態に、最も近い言葉を1つ挙げるとするのならば【美の女神】である――いや、比喩でも何でも無く。
例え重度の女嫌いですら、彼女の姿を見て嫌悪感を抱くことはない、そんなレベルである。
さてはて。そんなレベルの魅力を、元から容姿だとか関係無く心底親しみを感じている人間が、超至近距離から不意打ちでブチ込まれると一体どうなってしまうのか――。
「ん、お湯。熱、かっ、た?」
「……ぅ。……ぁっ」
半ば無理やり入れられた風呂の中、アレンが「茹で蛸かな?」って位に顔を赤くしていた。
彼の瞳は基本的にクリスから逸らされているが、割と頻繁にクリスの方へチラチラと向いてしまっていた。
いや、バレない様に盗み見ていると言う意味ではなく、アレン自身の意思に反して、勝手に視線がクリスの方を向いてしまうのである。
しかも、それに気付いて直ぐに目を逸らす様にしていると言うのに、その僅かな時間で目に入ったクリスの姿が、網膜に焼き付いたかの様に、頭の中で鮮明に再生されるのだ。
……もう彼はダメかもしれませんね。
何と言うか、脳が破壊されかけていた。
『可哀想に…………。体がガチガチじゃねえか』
その様子を空中から観察していたデザベアが、流石に哀れそうに言い放った。
それに対しアレンに聞こえない様に、デザベアとの同調率が更に高まったことで使えるように成った念話で、クリスが答えた。
『嫌、がっ、て、ない、から、大丈、夫!!』
『いや、まあ…………。今のお前を相手に嫌がる男なんて殆どいないだろうけどよ……』
一応、クリスを擁護?しておくのなら、彼女の認識的には現在、然程猥褻的な行為をしている気は無かったし、する気も無かった。
え~?ほんとでござるか~~~~???と思う人が多いだろう。
しかし、これまでを見れば分かるように、クリスは変態ではあるが、現代日本的倫理を弁えた変態である。
ストライクゾーン的には大丈夫でも、子供相手に手を出す気など、最初から無い。
これでも条例は守る女である。
そもそもの話、ヤってしまうと、アレン君のアレン君(意味深)がアレン君(動詞)して、アレン君がアレンちゃん(TS第二号)になってしまうので、仮にアレンから手を出されてもやんわり躱すだろう。
例えばこうやってお風呂に入る事だって、今の体なら女湯にだって入れるが、「自分的には女も男も無いけど何かズルっぽいから止めておこう」と思っている位なのである。
だけども、じゃあ逆に男湯ならOKだよね!!!!とか思ってはいるのだが。
現 在 の 姿 を 考 え ろ ! ! ! !
まあその自分の容姿に関する認識でも、もし仮に自分が男の姿のままこの世界に来てこの変貌を見たとしても、ほんの少し驚くくらいでなんにも態度を変えないので、そこまで大した事だと認識していないのだ。
お 前 の 認 識 で 物 事 を 測 る な ! ! ! ! ! !
結果、クリス的に現状は、(精神的には)年下の男の子を、ちょっと揶揄いながらスキンシップを取っている位でしか無かった。
仮にアレンが少しでも嫌がっていれば直ぐに止めたことだろう。
なに恥ずかしがってるのは、良いのか、だって?
――知らん。それは管轄外だ。
そこまで贅沢に金を使う訳にも行かないアレン達が借りている宿屋なのだから、そこに付いているお風呂もあるだけマシ程度の物である。
その浴槽は狭く、子供と言えども2人一緒に入ると大分近づかなければならない。
クリスはアレンが自分から目を離した隙を付いて、その首筋に息を吹きかけた。
「ふぅ~~」
「ほひょぉぉああああああああ!?なななな、なんで!?なんでっ!?????」
(あ゛あ゛~~~~。心がぴょんぴょんするよお゛お゛お゛お゛~~~~)
クリスは凄い勢いで自分のHPが回復していくのを感じていた。
え?HPとは何かって?
Hentai Pointの略ですよ?常識です。次のセンター試験で出る可能性があるので受験生の皆は覚えておきましょう。
しかしながら心の中はこんなクリスなのに、表情として出力されるのは、嫋やかな微笑だった。
それを見て、アレンの表情が一段と紅く染まる。
「ふふっ」
「ぅぁっ」
もうダメだった。殆どお湯に浸かっていないが、これ以上居ると、アレンは色々とダメになってしまいそうだった。
「ももももももう、体あたたたたたまったから、オレレレレレ、もう出るからららららららら」
「背、中。流す、よ?」
「大丈夫だからっ!!!!!」
そんな事をされようものなら、自分の心臓はショックで止まってしまう。
アレンは決死の否定を繰り出した。
「分か、った。私、も、出る!!」
そう言うとクリスは浴槽から立ち上がった。
アレンの!!!目の!!!!!!前で!!!!!!!!!!!!!!
「わあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
絶叫するアレン。
これは、目の前で母親を惨殺された時と同じくらい声が出てますね……。
「俺が先に出るからクリスは後から来てっ!!!!!!!!!!」
「え~」
「えー、じゃないっ!!!!!!!!!!!!!!」
そう言ってアレンは大慌てで浴室から飛び出していった。
それは、それは、必死に。
しかし、まあ。それで騒ぎが収まったかと言えば……………………。
「おい、アレン?風呂で騒いでどうした」
「いや、それは――」
ドアが開く音。
全裸で飛び出してくるクリスの姿。
「私も、出た、よ!!」
「――――は?」
「ああああああああああああああっ!?????おじさん見ちゃだめぇえええええええええええええええええええええええええええええっ!!!!!!!!!!!」
「ちょっと、皆。私に安静にして寝ていろと言った癖に何を騒いで――は?????アレン、兄貴。私の見てない隙に見知らぬ女の子を誘拐するなんて、余程玉ァ~潰されたい様だな?????????????」
「ま、待て。エレノアッ!!!俺にも何が何だか分かってない!!!!」
「ちがっ、母さん。違うんだよおおおおおおおおおオオオオオ」
「着替、え。どう、すれ、ば、いい、の?」
あ~。もう滅茶苦茶だよ。
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