第7話 赤ちゃん
あやえるには夢がありました。
あやえるのママ様みたいな“ママ”になる事。
シングルマザーであやえるを育ててくれて、誰よりキレイでなんでも出来て、年齢を重ねれば重ねるほど、劣化する所か、どんどん美しくなっていて……。
そんな“ママ”になるのが夢でした。
でも、元ご主人からの性的暴力やモラハラ、一時期妊娠出来ないほど心身ともにボロボロでした。
しかし、治療を続け、子供を授かれる身体に戻れました。
でも、身体障害者のあやえる。
走ったり、階段を使えない、重いもの持てない。子供が出来ても抱きしめる事しかできません。
子供は親を選べない。
パートナーになる人にだって迷惑かけちゃう。
ご家族だって五体満足の健康な女の子がいいと思うはず……。
だから初カレ様には、
「こんな身体だからずっと一緒にいるとした絶対迷惑かけちゃうし、子供を授かっても子供にさみしい思いをさせちゃうと思うんです。
初カレ様のお母さんだって、健康で普通の女の子と結婚して欲しいって思うと思います。
あやえるは、初カレ様の彼女にまたなれたってだけで本当にしあわせです。
もし他に好きな人が出来たり、結婚とか子供の事で悩んだりしたらハッキリ言って下さいね。」
と、伝えました。
しかし、初カレ様は「そんな事言うなよ。」と、真剣に本気で目を見てくれました。
そしたら先日LINEで、
「初カレ様……。本当にネックレスも指輪もユニバも本当に本当に本当にありがとうございます。
全部のしあわせも初めても初カレ様で、こんなにしあわせにしてもらえて、初カレ様の事をあやえるはしあわせに出来てるかな、とか、負担じゃないかなって、いつも不安です。
ユニバも、前の彼女さんとの方が楽しくて満喫できてたんじゃないのかな、とか。」
「君と一緒だったから、あんまり比べるようなモノじゃないけど、今回の方が楽しかったよ。」
「だって不自由な身体だから階段とか凄い迷惑かけちゃたし。」
「一つ聞いておきたいんだけど、もし今後俺が、子供が欲しいって言い出したらどうする?「」
「それはあやえるとの子?」
「そう。」
「初カレ様や赤ちゃんにこんな身体だから迷惑とかさみしい思いさせちゃわないかなって。
あやえるが友初カレ様のご家族ならかつてのアバズレ女だし、健康で五体満足な女の子のほうがいいんじゃないかなって思っちゃって。」
「君はそれでいいの?」
「わからないけど。でも全部の初めても初カレ様で、誰よりも大好きな初カレ様からそう言われてるのが本当に嬉しいし、良い意味で信じられないです。あやえるこんななのにって。」
「実はずっと聞けなくていた事で、育てられないから、生みたくないって言われたら、いつかは別れないとなのかなぁって思ったり。やっぱ子供欲しいです。」
「むしろあやえるでいいの?」
「大丈夫なら。」
と、仰って頂けました。
前は、ただただママ様みたいな“ママ”になるのが夢で、“赤ちゃん”が欲しいと思っていました。
だから、元ご主人様の子供を授かるのが怖くて、授かれない身体にされつつも、本能が『この遺伝子を残してはいけない』と、思ったのでしょう。
毎月、生理が来る度にホッと安堵しているあやえるがいました。
でも今は、心の底から初カレ様の“赤ちゃん”を授かりたい、と願う様になりました。
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