第三章
変化 1
三毛さんの涙を見てから数日。
せっかくの休みだから、milk teaに入り浸ろうと思って午前中から来てるんだけど……。
「マスタ~。これはどうすればいいんですか~?」
と、さっきから「何回目だ?」と言う質問と甘ったるい声が耳につく。
「あ、これはこうやって……」
三毛さんはその度に自分の作業の手を止めて生田さんに教えている。
あ、生田さんってのは、このバイトさんの事。
『
それはさて置き、さっきから妙に距離が近くないか!?
生田さんは教えてもらうのを良いことに、ピッタリと三毛さんにくっ付いている。
(なんでそんなにくっ付く必要ある!?)
それに、さっきから事ある毎に三毛さんの体を触ってるし!
(なんなのこの人!)
今日は、いつもの茶葉で三毛さんが淹れてくれたミルクティー。とても美味しいのに、イライラしながら飲んでいる。
(三毛さんも、デレデレしちゃってさ!)
実際はそんな事ないのかも知れないけど、そう思ったらそう見えて来ちゃう不思議。
(でもまあ、元気がないよりもマシか……)
私はイチャ付いている二人を見たくないけど、三毛さんが笑っているのを見て思った。
三毛さんが泣いた次の日、心配になってお店に顔を出した私を見て少し気まずそうにしていたけど、それも本当に少しだけであとはいつも通りの三毛さんに戻っていた。
三毛さんの涙を見てビックリしたし胸も痛んだけど、あれで悲しみを乗り越えられると良いな。簡単な事ではないだろうけど……。
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