?×16=βロ

 君は末尾の疑問符もどきに指を近づける。


 そして、ゆっくりと指先を画面に押し付ける。そのまま、ぐりぐりと指を動かす。少しずつ、ディスプレイの黒く色の変わった部分が面積を増やす。


 点の欠け落ちた疑問符を再び、元に戻してやろうというのだ。


 もう充分だろう、そう君は判断する。指を離す。


 例のカチャリという音がするのを待つ。そう、待った。








 決して長くはないが、それでも「待つ」と表現しなければならないほどの時間が経過した。


 音はしない。おや、と思った瞬間だった。音がした。


 だが、それはカチャリではなく、ドンドンというなにかを叩くような音だった。


 星の扉で聞いたあの音だ。間違いを告げる音だ。


 さぁ、どうする?



 君はディスプレイを見る。あることに気付く。


 左から二番目、“の”だった部分の記号も“?”ではなくなっている。さきほど君が欠落を補って完成させた右端と同じように、点の部分が消滅している。


 さっきまでは確かにあったはずだ。たぶん、右端に点を書き加えているうちに消えたのだろうと君は判断する。


 もう一つの変化に君は気付いた。


 右から二番目の疑問符の点が小さくなっているらしいことに。


 とてもゆっくりとだが、点は小さくなっている気がする。


 どういうことだろう、と君は怯える。


 また目をつむりたくなる。


 さぁ、どうする?


 君が決めるのだ。

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