?×16=βロ
君は末尾の疑問符もどきに指を近づける。
そして、ゆっくりと指先を画面に押し付ける。そのまま、ぐりぐりと指を動かす。少しずつ、ディスプレイの黒く色の変わった部分が面積を増やす。
点の欠け落ちた疑問符を再び、元に戻してやろうというのだ。
もう充分だろう、そう君は判断する。指を離す。
例のカチャリという音がするのを待つ。そう、待った。
決して長くはないが、それでも「待つ」と表現しなければならないほどの時間が経過した。
音はしない。おや、と思った瞬間だった。音がした。
だが、それはカチャリではなく、ドンドンというなにかを叩くような音だった。
星の扉で聞いたあの音だ。間違いを告げる音だ。
さぁ、どうする?
君はディスプレイを見る。あることに気付く。
左から二番目、“の”だった部分の記号も“?”ではなくなっている。さきほど君が欠落を補って完成させた右端と同じように、点の部分が消滅している。
さっきまでは確かにあったはずだ。たぶん、右端に点を書き加えているうちに消えたのだろうと君は判断する。
もう一つの変化に君は気付いた。
右から二番目の疑問符の点が小さくなっているらしいことに。
とてもゆっくりとだが、点は小さくなっている気がする。
どういうことだろう、と君は怯える。
また目をつむりたくなる。
さぁ、どうする?
君が決めるのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます