二、
バスケットの練習試合を終えた僕は今、大きな鞄を斜めに掛け町を歩いてる。夏の陽射しにうんざりしながら、額の汗を首に掛けたタオルで拭う。
足首が痛いと言った僕が最後まで試合に出ることはなく、不完全燃焼で帰路につくことになった。
「痛い」とか言わなければ良かったと後悔しながら目的地に辿り着く。
僕の住む町では一番大きなスポーツ用品店を見上げると、自動ドアを潜る。
店内のよく冷えた空気が、僕の汗を急激に冷やしてくれ一瞬心地よかったが、すぐに寒くなり、冷える体を暖めるべく痛む足を庇いながら早歩きで店内の探索を開始する。
バスケットに関係するコーナーなら迷うことはないのだが、今日はテーピングやサポーターなどの、コーナーなので勝手が分からずウロウロする羽目になる。
天井からぶら下がってるコーナー名の札を頼りに目的の場所を見つけた僕は、ホッとしてそっちへと向かう。
サポーターなどのコーナーは、
コーナーの入り口に立った僕は足を止めてしまう。
僕が行きたい場所に、一人の女の子が商品を手にとって真剣な顔で見ていたからである。
そう、数日前に出会った、河川敷で自転車の練習をしていた、名も知らない女の子が僕の目の前にいたのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます