やっぱりあなたは嘘を付くの下手ですね。

@yuya3645

第1話 彼女に振られました(前編)

 俺、桜井優は、すごく動揺している。


「優くん、私たち別れよっか」


 ……噓、だろ……なんで……


 俺ー-天正高校1年2組桜井優は、

 彼女ー-天正高校1年1組鈴木レナに

【振られたのだ】


 中学1年の頃から付き合い、すごく仲が良く、同じ高校まで目指しお互い努力してなんとか同じ学校へ入学できた。


 入学式が終わり、さあ!これから二人で色々楽しい高校生活をおくるぞ!と気分が上がりレナに呼ばれ、写真でも撮るのだろうと思いレナの所へ向かった。


 それで今にいたる。


「い、いやなんでだよ!あんなに俺ら仲良かったじゃん!それに一緒の高校にだって入ったのに...」


 するとレナは、「ごめんね。でもしょうがないんだ。もうほかに好きな人ができちゃったから優くんはもう好きじゃないんだ」


「は!?どういうことだよ!好きな人ってなんだよ!」


 俺は動揺を隠せず、思わず叫んでしまった。


 するとレナが「そういう所だよ。優くんは尽くしてくれるし、約束も守ってくれるけどちょっと重いかな。それにレナ気づいたの!尽くす側より尽くす側だって」


 俺は何を言っているのかよくわからなかった。


 レナに性格面やメッセージの返信の早さや電話など、内面や外面など色々なことを指摘され、レナ好みに変えられたのにそれが重いだと?


「それに好きな人とは入学式で声をかけられたの。その人を見つけた瞬間これは運命だってすぐにわかった!」


 本当に何を言っているのかよくわからない。俺はただのレナ好みに変えられてやっぱり違ったからすぐに捨てられるただの人形だったのか?


 そう思い呆然としているとレナが「じゃあもう行くね、これから龍治先輩とデートにいくからまたね」


「ちょっと待てよまだ話が!」


 そう言うと、レナは止まる気配もなく「優くんもいい人見つけて幸せになってね」


 とだけ言い残し、行ってしまった。


 俺は頭が真っ白になり、歩き、気が付くと展望台にいた。


 この展望台は芝生が生えていたり、椅子や机や小さな屋台などがあり、景色もよく、デートスポットでもある。嫌なことがあればいつもここにきている。


 幼馴染に連絡だけいれ、芝生に横たわっていると、気が付けば夜になっていた。


 起き上がり当たりを見回すと人がいなく、みんな帰ったのだろう。


 するとレナの事を思い出し、「本当は今日レナとここに来てたんだろな」と口に出し、もうどうでもよくなった。


 柵に足をかけて飛び降りようとすると、「なにしてるの君?もしかして自殺願望でもある?」と後ろから誰かが親しそうに声をかけてきた。


「ほっといてください」


「まあまあそんなこと言わずにお姉さんに話してごらんよ?」と近づいて来る足音がする。


「しつこいですよ来ないでください!」と言って振り返ろうとした瞬間、後ろからガッとつかまれ引っ張られ、芝生の地面に投げられる。


「いてて」と声をあげると、「こう見えてお姉さん速いんだよ!」と自慢そうげに行ってきたので目を開けて誰かと見てみると。


 そこには茶髪のセンター分けの髪型をしていて、青いジーパンを履いて黒い革ジャンを羽織ったとても大人びた美人な俺好みの女性が立っていた。



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