短いお話

丸 子

第1話

ある夜のこと。

喉が乾いて部屋を出たところでドオンと響いた。

外だ。

続けて大きなシンバルを鳴らしたような音。

次の瞬間、僕の部屋が目の前から消えた。

両親の部屋も。

確か両親は寝ていた筈。

僕は昼は寝て夜に起きる。

両親からは[ひきこもり]だとか[ゲームばかりして][昼夜逆転の生活をして]と嫌な顔をされている。

「寒い」

僕の部屋だったところから寒風が入ってくる。

もう部屋ではなくなってしまった。

部屋どころか家の半分以上がない。

「もうゲームできないや」

独りごちながら水を飲んだ。

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短いお話 丸 子 @mal-co

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