そして、沈黙(6)

(前部は落丁のため、欠落)マルトレ候[テモ・ムイレ=レセ]の義弟である[タリストン・]グブリエラの嘆願により、ムイレ=レセの一族は、貴族から平民に落とされ、東南州へ追放されることで、命までは取られなかった(※1)



※1 命までは取られなかった

 欠落している前部は、ハアルクン(ポウラ)の乱で罪のあったムイレ=レセを、ハエルヌン・スラザーラが直接取り調べた件について、叙述されていたものと推定される。

 取り調べ前は、ムイレ=レセを隠居させ、その長子に家督を継がせるつもりであったらしいが、取り調べ中の彼の申し開きにハエルヌンが気分を害し、ムイレ=レセの自裁と領地没収を決めている。

 落丁の原因は、この申し開きの内容への言及にあるか。たとえば、ムイレ=レセがハエルヌンに放った悪言あくげんをそのまま記述したためなど。

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