南衛府監(五)
四、御用商人の再編成
コステラ=デイラ内で特権をもつ商人について、執政官[トオドジエ・コルネイア]と相談のうえ、特権にあぐらをかいている商人から権益を取り上げ、見込みのある者を新たに御用商人とした(※1)。
それらの商人とラウザドの商人が、仲たがいせずに商売へ励むことができるように、サレは茶会を開くなど、できるだけの配慮を示した。
サレは御用商人に協力させ、塩、酒、煙草など、専売品の管理を徹底した。密売を撲滅し、価格を安定させ、その結果として、税収を増大させた。
御用商人に金をもうけさせると、サレは執政官への献金を勧めたが、彼自身は受け取らなかった。その代わり、しばしば、コステラ=デイラの道路や橋などの整備に金を出させた。金を出した商人の名を、道路や橋につけることを許したことは、彼らの名誉心を大きく刺激した。
※1 見込みのある者を新たに御用商人とした
要は、サレとコルネイアに都合の良い商人を引き立てたわけである。ここでいう都合のよいというのは、スザレ・マウロやモウリシア・カストに近くなく、ラウザドと敵対していない商人を指す。
御用商人の再編成に目途が立った際、ウベラ・ガスムン宛ての書状にて、「コステラ=デイラで何をするにしても、これで話が早くなりました」とサレは述べている。
なお、この再編成により、カストは少なからず経済的な打撃を受け、サレに対する敵対心をいっそう高めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます