3-10『予選会場ー個人戦受付』


 コロシアムでの受付は簡単だ。

(こんなに人数が居るんだし、変に色々と詳しく~なんてした日にゃ、今日の予選を始められなくなるしそりゃそうだよな)

 受付方法は冒険者カードを渡す。それだけである。


 みぃとみぅはようやく回っきた順番に戸惑うこと無く、ホイっと手に持った冒険者カードをコロシアム受付に渡している。


(ん?)ここで不思議な反応。


 かたかたと震えるコロシアム受付のお姉さん。

 ゛ねねねね……ねこのこ族の…かかか方でしたか゛謎に驚いてるようなビビってるような不思議な反応だな。

「はい、みぃとみぅはねこのこ族ですが?」みぃはそれに動じることなく当然のように返した。


 ゛しっ失礼しました!!列など言って頂けましたら待つ必要はございませんので!!次回からは言って頂けたらすぐに受付します、どうぞお進み下さい!!゛

 はっきり言おう、この人がなぜこんな反応を示してるのかはよく分からん。

(そういや街にはいる時もねこのこ族だって言うだけで通れたんだよな~……あくまでも神獣は称えられる存在って訳か?)



 ☆☆☆☆☆



 そして何故ねこのこ族がこうも称えられているのか?僕は……知ることとなる。


 予選会場、ここはアーク大陸において世界ギルド大会の出場者や世界大会で記録を残したものの象などが建てられて居るのだけれど、驚くなかれ……(えぇ……これって……)


「にゃ……ママ?」


「お母さん!!」


 とても広い、歴戦の冒険者達の象が並ぶ1番目立つ奥のど真ん中、1番小さいであろうお方が1番悠々しくもデカく造られていた。

 そう、まさに……これは、まぎれもなくねこのこ様である。

(……見ただけで、あの化け物の強さを思い出すなんてな)


 石像したに堂々と掘られてるそれ。

 ゛世界大会、無限級762連覇、最強のねこのこ様゛


 なんか、ねこのこ族が恐れられてるというか、なんというかなのはこれを見ただけでわかった気がするよ。


(ん?大会って確か……年に1回だよな?ってー事は?あのねこのこ……762歳はとっくに超えてるってことか!?)

 驚きというかなんというか、あのおばあさん口調が道理で見た目が子供なのにしっくり来るわけだと納得出来てしまうから恐ろしいものだな。

(……んーと、つまり……ふむ)


 石像をじーっと見る2匹。


(僕ってそんな化け物の娘を育ててるって訳だ……それに、勇者と魔王、2人はこのねこのこ様よりも強いってことだから……こいつらは無限級を軽く制覇出来るぐらい強くならないといけないって訳なのか……)先が思いやられる僕であるが、この石像を恋しそうに見る二人を見てると、頑張らないとなって思うんだ。



 ☆☆☆☆☆



 そして予選会場、母の姿を石像とはいえ見た事により再度気合いが入ったのか?2人はいつもの元気は無いが、物静かにその時を待っている。

(……んー魔力が凄い荒れてる、あれじゃあ手加減なんて出来ないかもしれないな)

 その時はまぁ、僕が見る限りよわーい冒険者達がいくらか死ぬ事になるかもしれないが……んー、僕には止められないからな~すんません。


 僕は参加者では無いので、現在コロシアムにある客席でぼけーっと二人を見ている状態だ。


 予選の方法は至極簡単なもので、とてつもなく広い闘技場、冒険者が8人になる迄、全員参加で戦闘が行われる。

 魔力切れ、気絶、死、この3点は即失格事項とし、腕に付けられる冒険者の腕輪により強制退場させられ負けとなるらしいな。


(本大会と変わらない人気って言ってたが、まぁこれは確かに見物だよな~……にしても客が多いな)

 僕は赤ちゃんなので前に客が座るだけで会場なんて全く見えなくなっている。それもどんどんあつまり埋め尽くされ、今や声すらまともに拾えないぐらいうるさい。

(あってよかった物理感知)

 結局僕には視野が必要ないので、関係なくここから見れるんだけどな。


(にしても、やたらと強い魔力が1つ……気になるな~あれに当たれば2人も結構まずいかも?、あとみぃとみぅに劣るがそれなりに強い魔力が4つ、後は雑魚だろうな)




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