第12話 断絶
気がつけば、私たちは町から出るところまで来ていた。
町の外に出れば何かあるかもしれない、当時の私はそう思いでもしたのだろうか。
しかし町は、非情にも、高く頑丈なバリケードに封鎖されていた、どの道を選んでも。もうこの町の外へ出ることはできぬ。赤く点滅する信号機が、私たちを睨んできたのを憶えている。
再三だが、あの日のことは思い出したくない。でも思い出さなければならぬ時が来たのだ。
結局、しまいには家へ帰った。もうどうにでもなれ、そんな気持ちでいた。
やけくそになって水ばかり飲んで、食事は一切取らなかった。
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