第2話 男俺女 21/11/30
朝チュンだった。
天井を見上げながら昨日のことを思い出せば、まるで本当に夢だったかのように思えるひと時だった。
ぎこちないながらにもお互い頑張ったからか、失敗にはならなかった。
ふと隣を見て性奴隷に身をやつした裸体の美少女の寝顔を見つめる。
そして俺は、理解するのだ。
やっちまった……、と。
というのも話を遡る。
寝てしまう前。初めてのピロートークのことである。
順序がおかしいが一度まぐわったら奴隷という慣れない制度にも折り合いがついたので、改めて自己紹介し合ってこれからよろしくってしたのだが、その後話される彼女の境遇を聞いているうちに俺はとある取り返しのつかない事態に足を踏み入れていることを悟った。
彼女の出身地は聞き覚えがあった。
彼女は貴族だったらしい。
彼女には婚約者がいたそうだ。
とある貴族家が解体されたという話を焦った様子の幼馴染からすっ飛んでいく前に聞いた覚えがある。
というかこの子、幼馴染の婚約者でした……orz
ちょっと理解を拒んでつらい経験をしたんだなよしよししてから明日の俺に問題を放り投げた昨日の俺。
無事投げつけられた今日の俺はもう童貞を捨てた清々しい気分ではいられなかった。
えっ、待って。まじで取り返しのつかないことしちゃったんだが。
純潔奪って、しかもなんか気持ち昂って俺の子供産んでくれってがむしゃらに頑張った記憶があるんですけど(絶望)
頭の中幸せ家族計画だったのにただの間男だったとかなにそれ死にたい。
これじゃ最屑系チートクソ主人公じゃん。俺これからこの子とまったりスローライフするチート主人公に路線変更するんだとか夢のまた夢、風前の燈どころか塵だ。
この問題をどうするか。
そんなこと考えるまでもない。
とりあえず居場所が掴めない彼女の家族は後回しとして、することは一つ。
――――国外逃亡である。
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