ホイミー
あきまり
第1話 疲労回復魔法!?「ホイミー」の発現
私は「ホイミー」を使える。
発動条件は二つ。一つ目は手をかざす。二つ目は「ホイミー」と言う。
これだけで癒し効果が現れる。
厳密に言うと「ホイミー」とくちにする必要はない。心で諳んれば発動する。わざわざ「ホイミー」と唱えるのは賢者っぽさを味わいたい私のエゴで、魔法の呪文を使えるさまが格好よく見えるからだ。
「ホイミー」が発動するとき見た目に変化はない。神々しく光らないし癒されてる感のする音もでない。地味なのだ。
地味だから賢者の定番らしい杖をもっていた時期もあった。でも私の足が弱いと思って気遣ってくれる人が多すぎるのでやめた。だましているつもりはないのに結果的にだれかをだましていたからだ。
「ホイミー」は疲労回復効果がある。おじさんがよく飲むユンケルの上位互換だ。
外傷は治せない。術者の私もときどき勘ちがいしそうになるけど「ホイミー」はあくまで疲労回復特化。切傷とか骨折はもちろん、病気のたぐいも治癒できない。それだから使う場面がかぎられる。
あたたかいお風呂。安らぐアロマ。心地よいベッドとまくら。
おそらく「ホイミー」はそれらにかなわないだろう。
「ホイミー」とはそういう能力なのだ。
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