気がついたら、攻略されそうです〜隠しキャラ編〜
レイド
第1話
「よし、これで……オールクリアだな……」
そう俺は、テレビ画面に向かって、そう言う。テレビ画面に映り込んでいるのは、ヒロインと主人公のハッピーエンドとなった画面だった。
俺が今、遊んでいたゲームは「ラブチュチュ」と言う。所謂、恋愛シュミレーションゲームと言う物で、結構人気のあるソフトでもあり、固定のキャラのファンとかいたりしている。ちなみに俺の一番好きなキャラクターはと言うと、五人いる攻略キャラクターの中だと、主人公の後輩の水無月あかねと言うキャラであった。
この水無月あかねと言うキャラは、主人公の後輩と言う設定で、見た目が栗色の髪をしていて、背も小さくて、守ってあげたくなるようなそんな感じのキャラクターだった。
俺のギャルゲー仲間は、「やっぱ、西村舞だよな」とか言っていたり、「いや、僕っ子の沖島ユウだろ?」と言っていたり、好みのキャラクターが別れていたりしている。ま、俺も沖島ユウも西村舞もどっちも好みだしな……
ちなみにゲーム「ラブチュチュ」を購入して、真っ先に攻略したのは、もちろん水無月あかねだった。
かかった時間、休みながらでまあ、七時間ぐらいで、ラストの「先輩、大好きです!」と言う告白も聞けたので、結構満足でもあった。次に攻略したのが、地味目のキャラの風見理子で、このキャラクタ-は攻略対称キャラ五人の中で、唯一の眼鏡キャラだった。眼鏡キャラは、あんまり好きではなかったので、プレイやめようかな……とか少しは思いながら、攻略していき、後半に眼鏡がなくなった素顔が、思いっきり美少女だったので、これもありか……とか、思ってしまい、結局最後までクリアしたのだった。で、他のキャラを攻略していって、最後の攻略キャラ、先輩の高村菫と言うキャラで五人目の攻略に成功、オールクリアとなったのである。
うん……結構時間がかかったな……正確には覚えてないが、かなりの時間を使ったと思う。
ま、とりあえず……
「オールクリアしたし、掲示板に報告でもするか……」
そう呟いて、PCの電源を入れて、サイト「ラブチュチュマニア」と言うサイトを開く。 このサイトは、ギャルゲー「ラブチュチュ」の交流サイトで、キャラクターの攻略方法、掲示板、イラスト展示、お絵かき掲示板と言った、ファンの交流サイトだった。その掲示板にHN「YUKIO」と入力してから「オールクリアした(>~<)!」と顔文字も入れて入力し、イラストに新しいのアップロードされてるかな? と思い、覗いて見ると、知らないキャラクターが描かれていた。
コメント欄に「由希乃ちゃん、キターーー!」「激萌えーー!」と書かれている。
「由希乃……? 知らないキャラだな……」
そう呟いてから、さっきの掲示板に戻ると、俺の書き込んだコメントに対して、返信が書き込まれていた。
「隠しキャラの由希乃もですか?」
そう書かれてあったので、隠しキャラ? と思い、それに対しての返信で
「隠しキャラ? 一応五人はクリアしたけど……」
そのように書き込むと、数分後に返信が帰ってきて「ラブチュチュには、隠しキャラ、主人公の義理の妹、初崎由希乃と言うキャラクターがある」と、書き込んであったので、俺は早速、ラブチュチュの公式サイトを覗いてみる。
公式サイトを覗いてみると、確かに、隠しキャラとして、初崎由紀乃シナリオと書かれてあった。しかも、そのコマンド入力方法も書かれてあったので
「これはやってみるのもいいかもな……」
そう呟いてから、ゲームの電源を入れて、ゲーム「ラブチュチュ」を起動させる。
OP曲が流れ出して、終わった後にOP画面が出てきて、そこでネットにかかれてあった、コマンドを入力してみると、ピロリンと音が鳴って、シナリオが追加されましたと表示された。
「うん、どうやら成功みたいだな、じゃあ、早速プレイしてみるか……」
そう言って、スタートを押して、由紀乃シナリオが追加されていたので、そこを起動させてみる。しかし……
「あれ? 反応がない……なんでだ?」
何回押してもまったく反応がなく、もしかして……フリーズしたか? と思い、電源を切ろうとすると、テレビ画面がいきなり強い光を発光して、目の前が見えなくなった。
「うわーーー!!!」
急に目の前が真っ暗になり、何所からか無機質な声色で
「ゲームスタート」
そんな言葉が、聞こえてきて、意識を失ってしまい、気がつくと……
「おい、大丈夫か?」
気がついて、眼を覚ますと、そこにいたのは、男がいた。
「……ここは……って、声が違う?」
声を出して思った事は、あきらかに自分の声じゃなく、高い声で、まるで……女の子みたいな声だった。まさか……と思い、体を調べてみると、胸の辺りに膨らみを確認、そして、あわてて股間を確認すると、見慣れた物がついていなかった。そんな俺の行動に
「何してるんだ? 由希乃?」
男が、声をかけてきた。
「……由希乃?」
「ああ、とりあえず……なんともないみたいだな?」
由希乃と言われて、その名前で思いつくのは、ゲーム「ラブチュチュ」のキャラ、初崎由希乃の名前だけなのだが……じゃあ、もしかして……俺の目の前にいるこいつが……
「もしかして……孝之?」
「孝之とは何だよ、俺の事はお兄ちゃんと呼べよな?」
そう言われて、ああ……俺……初崎由希乃になったんだな……と確信してしまった。
これは、あれか? ゲームの世界に入ってしまったと言う事なのか?すげー現実感が全くないんだが……?
「とりあえず、何ともないみたいだな? じゃあ、俺は自分の部屋に戻るぞ」
そう言って、孝之が部屋から出て行く。孝之が部屋から出て行って、改めて自分の置かれた状況と周りの景色を見渡してみる。部屋の中にあるのは、箪笥に勉強机にベット、カーテンの色がピンク色で、枕の色もピンク、枕元にうさぎのぬいぐるみが飾ってあり、思いっきり女の子って感じの部屋だった。窓から外を見てみると、窓が見えて、閉まっている。
多分と言うか、ゲーム通りの設定だと、隣の家は西村家なので、西村舞の家なんだと思う。
あとは……自分の顔を確認する事にして、鏡を探して、机の中に入っていたので、それで改めて自分の姿を見てみると
「思いっきり美少女じゃん……」
そこに写っていたのは、黒のロングで、他の攻略対象者、五人とは全く違った、美少女が写りこんでいた。
「確か……設定だと、あの孝之とは義理の妹って事なんだよな? それに隣は、西村舞……うわ、リア充かよ……むかつく……」
まあ、この体になっちゃたし、自分の体の事を調べる事にする事にした。調べた結果……胸は大体BかCぐらい、ブラもパンティーも装着していて、しかもお揃いの白だった。感度は、自分の体なのでコメントは控えるとしよう。うん。これからどうしていくかだけど、ギャルゲーなので、ゲームクリア条件は、主人公とのハッピーエンド=主人公との恋愛成功って感じだから、クリアする為には、あの孝之とラブラブにならないといけないって感じだった。うわ……ぜってー嫌だ……ラブラブって冗談じゃないぜ……
「こうなったら、他の方法を探して、ハッピーエンドを見つけるしかないよな……」
俺の方針はとりあえず、その方向で動こうと決意し、最初にやる事は
「他の攻略対称キャラと、孝之との好感度を調べる」
そう思い、行動に移す事にしたのだった。
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