原稿用紙2枚分の超常日より

水原麻以

原稿用紙二枚分の超常日より

今年最初の冷え込みを記録したとのことですけれど、私の家の前では昨日まで暖かかったため雪はほとんど残っておりませんでしたわ。

雪かきなんてものもまったくせずに済みましたからそれは別に私は雪が好きだとかそういうわけではありませんことよ?

ともかく私、この日記を始めてからずっと思っていたことがありました。

天気に関することは書いても良いのかしらということです。

たとえば私がこれから「今夜は流星群の観察ができるそうですよ」と書けばその通りのことになるかもしれないということですが……これではつまらないと思いました。

もちろん書くにしても天気だけを書くのではなく他に何か書きようがあると思うのです。

あらいけない。

こんな時間になっていましたわ。

それではお題を発表させていただくわね。

お題はこれ、「お湯」「鍋」「餅」の三種類を用意しましたの。

それぞれについて「ある人物から見たときのイメージを述べよ」というのがテーマになっております。

なんだろなとご隠居さまは思いました。

台所に走って行ってみると、 そこには茹で上がった白菜がありました

「ぬおおぉ! おのれ妖怪めが、またやったのか!」ご隠居さまは怒りました。

「うむ。あれはまだ若いのでな、わしを驚かそうと色々と考えておるようだ」

そんなことで、怒っているんだか笑ってるんだかわからないまま次の場所に行きました。

次は「鍋」ですね。

こちらの問題はご隠居さまを困惑させました。

えぇっ、いやだって「イメージを述べる」ってことだったじゃあねぇですかい。

牛丼が「お題」ってのもどうかと、思ったんでしょうね。

ご隠居さまは「鍋はいいねェ。温まるからね」

ご隠居さまは台所へと戻りました。

「汁と具が分離し、ぐつぐつ揺れている土鍋の中に浮かんでいる牛骨」

なりやすよねえ……ご隠居はちょっとしょんぼりした気持ちでした。

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原稿用紙2枚分の超常日より 水原麻以 @maimizuhara

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