砂時計

ももいくれあ

第1話

砂のように、

砂時計のような彼は、

砂漠の一部になってしまった。

フラスコになった私は、

大きなカーブで受け止めようとした。

とめどなく溢れ出すその全てを

すっぽりのみこめそうだった。

時々砂の塊が

サラサラの中をころがっていった。

涙でしめったその粒を、

隣のフラスコに並べてみた。

重なり合った一つずつが

ぶつかりあって、溶けていった。

両手にすくった沢山の思いは、

指のすきまをすり抜けていった。

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砂時計 ももいくれあ @Kureamomoi

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