Take39 それだけ?

僕の話を聞いて

蒼温の一言


「陸、食べよう。時間なくなる」


それ?今それ?

でも空腹は素直で

弁当箱の包みを解く

そしていつものように

蒼温のご飯を半分もらう


部活で食べるお昼ご飯

食べ始めたら

止まらなくて

完食して満足


「で、陸はどうしてくれるわけ?」


え?

そっか僕は謝りに来たんだ

ばかだな


「どうしようもできないよ」


「だろうね」


蒼温はお弁当箱を片付けて

伏せ目がちで立ち上がった


「今回の事はいいよ。別に」


「え?でも……」


「いずれはわかる事だから」


それだけ言って

蒼温は部室を出て行った

取り残された僕は

お弁当箱におでこを置いて

寒くないのに震えたんだ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る