『モテる』スキルで異世界最高〜物を『持てる』だけのクズスキルのはずが、実は物に『モテる』スキルらしく美少女に囲まれて暮らしています〜

第33話

「……疲れた」

「お疲れマスター、よしよし」

「ますたーがんばった、よしよし」

「本当に2人は優しいな……2人が俺の武器で良かったよ」

「それよりもショウ様、ヴァルクァル様に決闘で勝利したというのは本当ですか！？」

　ゴールドエリアの自室に戻ると待っていたのはノーフィとシアだった。

　俺がヴァルクルに勝ったことは学園中に広まっていた様だ。

「そっか、じゃあまたもっと離れ離れになっちゃうんだね……」

「いや、神白金級に行くのはやめたから次の昇級試験は一緒に受けるぞ？」

「えぇ！？何で！？」

　俺はグーシュヴァンドとの一件と感じたことを話した。

「確かにグーシュヴァンド様は1年生、いや3年生含め今の学園では間違いなく最強ですね」

「そうなのか？」

「はい、私達が編入する前に行った入学試験でグーシュヴァンド様は他の全ての新入生候補と試験官を一瞬で気絶させたらしいです。直接見たわけでは無いので私もよく知りませんが、それだけはよく聞きますから」

「でもそれならグーシュヴァンドさんから盗むなんてことするかな？」

　確かにノーフィの言う通りだ。

「それはあると思います、グーシュヴァンド様はいつもは素顔を隠していて、その顔を見たことのある人は限られた人しかいないようです」

　それにシャツ1枚で無防備に日向ぼっこしてるのが学園最強だとは思わないよな。

　偽名も使っていたし、何か理由があるってことか。

「めちゃくちゃ美人だったのに勿体無いな、俺が今まで見た中で5本の指には入るくらいだったのに……ん？なんだよ？」

　シアとノーフィが睨んでくる。

　あれか、グーシュヴァンドを褒めたからか？

「私はその中にいるんだよね！？」

「ショウ様、私は1番でしょうか！？」

「ますたー（マスター）、わたしは？」

「わ、私は当然入ってるのよね？」

　ヒスイまで出てきた。

「そろそろ明日の試験に備えてゆっくり休もう、それじゃ……解散！」

「あ！ショウ様逃げるのですか！？」

　逃げてるわけじゃない、これは戦略的撤退だ。

「それに俺は誰が1番とか決めることは出来ないよ、皆大切な仲間なんだから」

「ショウ君……」

「でも強いて言えば1番おっぱいが大きいシアかな」

「ショウ君！！怒るよ！！」

「冗談だよ冗談！ていうかもう怒ってるよな！？」

「むぅ、こうなったら明日の試験で1位をとって見返してやるんだから！！」

「そうですね、1位になった方の願い事をショウ様が叶えてくれるというのはどうでしょうか？」

「シアちゃん、それいい考えだよ！」

　凄い勝手に話が進んでいるが、どうやらノーフィもシアもやる気が出た様だ。

　作戦通りだな。

　……本当だぞ？