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 その後、ロックダウンは少しずつ緩和されて、街には少しずつだが人が戻っていった。しかし、閉店していた百貨店や飲食店は相変わらずの閉店か時短営業のままであったし、企業の多くはリモートワークが続けられていた。

 一時は少なくなっていた感染者数も、お盆を過ぎる頃にはすっかり元に戻るばかりかさらに増加し、第二波と呼ばれた。

 求人はほとんどなかった。風俗の求人がチラホラあったくらいでまともな仕事といったら食事の宅配サービス事業くらいであった。

 千代は車もバイクも自転車も持っていなかったので、それら宅配サービスの仕事を始めることはできなかった。毎日ずっと家にいて、たまに買い物に外へ出かけた。

 しかし、収入が途絶えても家賃や光熱費は払い続けなくてはならなかった。


(続く)

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