　坪井千代は、都内の短大を出て事務職で就職しようとしたが、新卒のときには就職できなかった。やむなく派遣会社に登録した。最初の派遣先は旅行代理店の窓口での接客だった。そこでは上司によるセクハラが酷くて三ヶ月で派遣先を変えてもらうことになった。その後、大手町の大手通信会社に派遣されていた。その職場は比較的人間関係も良く、長く勤められそうだと思っていた。紹介予定派遣で申し込もうと思ったこともあったが、待遇面ではそこの派遣の方が待遇がやや良かったことと、派遣先の職場が気に入っていたこともあり、申し込まなかった。

（続く）