第3話:魅了
アンドレイ=ラプソティにとって、アリス=アンジェラの取る行動は不可解であり、同時に不快であった。まるで赤子の手をひねるが如く、自分を圧倒てきるとでも言いたげなアリス=アンジェラなのである。アンドレイ=ラプソティは頭をぶんぶんと左右に振り、これはただのこけおどしだと強く心に命じるのであった。
アリス=アンジェラの周囲には1000本を越える赤色の羽根が舞い続けている。それと同時にアンドレイ=ラプソティはレオン=アレクサンダーの亡骸がこれ以上、弄ばれないようにと
「ボクが同じようなことをすると思われていること自体が心外なのデス」
「ならば、これを防いでからほざいてもらおう!」
準備が整ったアンドレイ=ラプソティは宙に舞わせていた紅い羽根群を一斉にアリス=アンジェラに向かって放つ。それに対して、アリス=アンジェラは両手を
紅い
アリス=アンジェラは天使の羽衣を纏っていたために、まさに『天女』と称されても良い舞をアンドレイ=ラプソティに披露した。アリス=アンジェラは最初、両手のみを
アンドレイ=ラプソティはグヌヌ……と唸る他無かった。レオン=アレクサンダーの仇であるはずのアリス=ロンドが舞うのを見ていると、その見事な舞に心が奪われてしまいそうになる。天界に属する者たちの舞は地上に住む者たちを魅了してしまう
しかし、『魅了』に対する耐性を持っているアンドレイ=ラプソティをもってしても、天使の羽衣を着込み、次々と襲い掛かる紅い
(何故だ!? 何故、こうも私の心をかき乱す!? 胸は絶壁。尻の肉付きも貧相。
そして、彼女が肌が空けてしまいそうな天女の衣を纏った上で妖艶に舞うことで、ようやく天界の住人たちが生まれながらにして持つ『魅了』への耐性を突破できるのだ。なのにだ、そんなアンドレイ=ラプソティの心の壁とも言ってもよいその耐性を貧相このうえない体つきのアリス=アンジェラがアンドレイ=ラプソティの心をかき乱しまくってくる。
(わからぬっ! あいつはレオンの仇なのだぞっ! いっそ、反応しはじめている私のおちんこさんを自らの手で叩き折ってやりたい気持ちになってしまうっ!!)
アンドレイ=ラプソティがレオン=アレクサンダーの守護天使となってから、心が大きく動かされたのは、これで3度目である。雌性を強め、シエル=ラプソティとなった時にレオン=アレクサンダーの大きすぎるおちんこさんを膣道で受け入れたことがひとつ。そのレオン=アレクサンダーが眼の前で舞い続けるアリス=アンジェラに無残にも殺されたことがひとつ。
そして、憎くてたまらないはずのアリス=アンジェラの舞を見ることで、自分が魅了されはじめているという事実を突きつけられている今この瞬間であった。アンドレイ=ラプソティはアリス=アンジェラに対する『否定』を強めれば強めるほど、アリス=アンジェラが放つ『魅了』の
それゆえにアンドレイ=ラプソティが魔の手に絡め取られてしまうことになるのは、アリス=アンジェラにとっても計算外であった。アンドレイ=ラプソティは宙に放つ羽根の数を増やしに増やした。宙に舞う紅い
しかし、アンドレイ=ラプソティ自身がその身から噴き出していた銀色の光は弱くなっていく。アリス=アンジェラはただ単に
それもそうだろう。アンドレイ=ラプソティがアリス=アンジェラと戦闘を開始する前に、すでにアンドレイ=ラプソティはまともに戦う
だからこそ、アリス=アンジェラは『魅了』の
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