祝!10ま……30万人突破配信!

 :待機

 :タイトル草

 :待機!!

 :悪魔おめでと~!

 :ヴァイサーくんおめでとっ


「おーおー、もう結構待機してくれてるな」


 俺の配信枠は20時から。

 今の時刻は19時40分。

 となると20分前から待機してくれていることになる。


 この前のユーリとのオフコラボから増えに増えまくった登録者だけれども……。


「まさか、10万人すっ飛ばして30万人行くとは思わねぇよなぁ」


 確かあのオフコラボ前は10万人ギリ届かねぇくらいだったよな?

 MML初の男ってこともあって、アンチもわんさか湧いたのもあって伸び方はぼちぼちって感じだったはずなんだが。


 どうやら例の配信は海外まで広がったらしい。


 今も配信のアーカイブの視聴回数は増え続けている。

 中にはわざわざ外国語に翻訳して字幕を貼り付けてくれている切り抜き師さんも居るみたいだ。

 その人を公認切り抜き師さんとして雇うのもアリだよなぁ。


 って、今はどうでも良いな。

 とりあえず配信の最終確認と、飲み物持ってこないとな。


 ◇◆◇◆


 さて、そろそろやるかぁ!

 スタートだッ!


「あーあー、お前ら聞こえてるかー」


 :キター!!

 :聞こえてるぞー

 :おめでとー! ¥30000

 :うぉぉぉぉぉ! ¥1000

 :おめでと~ ¥500

 :ナイスウルチャ!


 どうやらちゃんと聞こえてるみたいだな。


「ってことで、祝!10万人すっ飛ばしての30万人記念配信やってくぞー!!」


 :うぉぉぉぉぉ!!

 :ほんまにすっ飛ばしすぎやろw

 :飛ばしたなぁ……


「まさか俺もここまで伸びるとは思ってなかったわ」


 :まぁ、あのオフコラボはやりすぎたなwww

 :海外でもまぁまぁバズってたもんな


「ありがてぇことにな。

 ハッシュタグにも海外の人からのコメントも結構来てたしな」


 自動翻訳の魔法を組み込んで読めるようにして大体目を通したけど、結構好評みたいで良かったな。

 中にはこれCGかって逆にCGを疑う声もあったけどな。


 というか、いつか打ち明けるべきなのだろうか。

 そこはまぁ、今考えるべきではないな。


「みんなが気になってるであろう今日の配信内容だが……特に決めてない」


 :ファッwww

 :マジでこいつw

 :やることいつもと同じで草


 はっはっはっ!

 30万人記念配信だろうと俺は俺!


「まぁ、事前に募集してたマシュマロは消化するつもりだけどな」


 :クソマロ製造業の俺の腕が鳴るぜ

 :給料出します

 :今宵も混沌が生まれるんだな……

 :新手の闇魔法か?w


「さっそくやってくかー」


 用意していた画面を配信画面に載せる。


 :タイトルwww

 :神マロ!

 :クソマロ!

 :食べ比べ!

 :品評会!!

 :クソマロの存在がこれで確定してしまったなw


「さっそく一個目だな」


 俺は一つ目のマシュマロを読み上げる。

 ────────────

【☆求人☆】

 ☆悪魔へクソマロを共に送ってくれる従業員を募集しています!


 ☆初心者でも大歓迎

 ☆シフトは相談

 ☆お給料出ます

 ☆ノルマはありません!


 連絡は以下のメールアドレスまで!

 ○○○○@☆☆☆.com

 ────────────


 ふむ……。


「酷いな、これは」


 :www

 :一個目がこれかぁwww

 :なんで採用したw

 :ちゃんと求人っぽいの笑う


「俺もピックアップはマネージャーに任せたから知らなかったんだよなぁ……」


 朱音さんは一体何を考えているんだろうか。


「というか、クソマロ製造業なるものが存在してて、しかも儲かるんだな、これ」

 そりゃぁ、他のVの配信でもクソマロが大量に送られているわけだ。


「とりあえず言えることは、あれだな。俺の配信で求人出さないでくれ!」


 :うーん、ごもっともw

 :ぐぅ正論

 :こんな注意が出ることが異常なんだよなぁ


 こんなマロが今からわんさか出てくるかもしれない事を考えると楽しみもありつつ、恐ろしいなこりゃ。


 ◇◆◇◆


 :なんだこれwww

 :これは酷い

 :何故採用した(n回目)


 ────────────

 なんでグルルは黄色で


 ヂフナネシは海なんだろな

 ────────────


「マジでなんだよこれ!!今軽く調べたけどグルルもヂフナネシも出てこねぇし!

 黄色は辛うじて分かったとしても海ってなんだよ!」


 :ツッコミのキレが増してきたなw

 :これは悪魔のツッコミ力を鍛える配信だった?!

 :マロ送った奴目瞑って打ってるだろww


 もう配信開始から2時間経つが、まともなマロの方が少数であるこの事実。

 ある意味魔界よりも地獄と言うのに相応しいくらいだ。


「もう疲れたぞマジで」


 :お疲れやなw

 :ヴァイサーおつかれ~ ≪フィナさんはゲームがしたい≫

 :フィナ嬢もよう見とる

 :終ぞ私のマロが読まれることはありませんでしたね…… ≪ユーリ・ウルス≫

 :ユーリちゃんも見てんのか

 :あ、悪魔怒られるやつやん


 うげ、おめーのマロはあえて拾わなかったんだよ……。

 読み上げたくもねぇなぁぁぁぁぁ。


 :悪魔くっっっそ嫌そうな顔してて草

 :ボクのこと、嫌だった? ≪フィナさんはゲームがしたい≫

 :悪魔……てめぇ!!

 :あ、ぷっつーん俺らのフィナ嬢泣かせやがったな?


「お前らはな、俺の苦しみを知らねぇからそんなこと言えんだよ!

 あと、フィナ違ぇからな?!俺はユーリから来てたマロを思い出しただけだ!」


 エンタメだと分かってはいるが普通に焦る。

 こういうノリはアンチに火を付けかねない。


 :悪ノリがすごいw

 :マロって匿名だよな?


「あ゛ーもう乗っけるかユーリのマロ」


 :お、キマシタワー

 :wktk


 俺はそっとユーリからのマロを配信画面に載っける。


 :ふぁーーーwww

 :これは草

 :んーこのw

 :ユーリちゃんからので間違いねぇw

 :本当に載せると思って無かったのに!! ≪ユーリ・ウルス≫

 :ユーリちゃんガチ焦りで草


 ユーリからのマロはこれだ。


 ────────────

 ヴァイサー様へ。

 配信するのも良いですけど、たまには私に構ってくださいね?

 じゃないと、配信中に乗り込みますから!

 ユーリより。

 ────────────


 :かわええな

 :ユーリちゃんかわいい

 :この純愛には勝てませんわ……

 :アンチ消滅で草

 :マシュマロがどういうものか知らなかったもん…… ≪ユーリ・ウルス≫


「一人だけご丁寧に名前書いてくれてたんだわ」


 マシュマロがただの手紙交換的な物だと勘違いして名前を書いて送ってきたアホがいたのだ。


「ユーリにお前は俺にマシュマロ送ったのか聞いたらあからさまに焦ってたしな」


 :で、でもそれが本当に私のか分かりませんよね?! ≪ユーリ・ウルス≫

 :もう遅いだろw

 :自白したようなもんやろw

 :諦めるんやで


「ちなみに、今回来てたマロはこれで最後だからな。

 それに、さっきお前は私のマロは読まれなかったと言ったな?」


 :チェックメイトやな

 :もう逃れられないなw

 :その発言も嘘かもしれませんよ!! ≪ユーリ・ウルス≫


 なるほど。そう言われてしまったら言い返せないが。

 俺は魔族だぞ?魔法という手がある。


「ふむ。そう言うか。ならば魔法で差出人を探っても良いのだぞ?」


 :そんな事出来るんか

 :魔法って便利ダナー

 :え゛推しから探られたい

 :そ、それは卑怯じゃないですか? ≪ユーリ・ウルス≫


「まぁ、この件はこれくらいにしといて……」


 :終わりか?

 :ゆーて2時間もやってたんか


「そうだな。今日はここまでと言うことで!」


 :おつ悪魔~

 :おつ悪魔~

 :後でそっち行きますからね ≪ユーリ・ウルス≫

 :ヴァイサー、お疲れ様 ≪フィナさんはゲームがしたい≫


「おう!おつ悪魔!」



 ◇◆◇◆

 配信が切れたことを確認し、一息つく。

 久しぶりに雑談オンリーで配信したし疲れたな。


 折角の30万人突破配信だったし、もっと特別な事とか、告知とかした方が良かっただろうか。

 と言ってもそうすぐに思いつくわけでもない。


 ふむ……。

 何かイベントを考えても良いかもな。


 例えば、リアルイベントとか───────

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る