ユーリのショータイム
「万物よ、元に戻りなさい。
─────
ボコボコになった荒野が、枯れた草木が、荒れた天候が全て元通りになる。
:空間魔法に次いで時間魔法かよwww
:チート過ぎて笑えんw
:こんなのが配下って悪魔ナニモン
「ふふっ、まだまだこんなものじゃありませんよー?」
リスナーに褒められて少し、ノリノリになってきたユーリ。
調子乗って事故とか起こさないといいのだが。
天高く、右手を掲げ、またもや魔力を高め始める。
:〖ヴァイサー・ザリウス〗おまっ、ユーリ!やめろ!!
:悪魔が焦ってるwww
:これはアカンやつやwww
「大丈夫ですよ、ヴァイサー様。
今日のわたくしは調子がいいので」
うん、ダメそう。諦めよう。
もう一度言おう。
こうなったユーリは誰にも止められないのだ。
「さてさてさーて!やっちゃいますか!」
「天の怒りを知りなさい。
─────
土の上級魔法、メテオを乱発するユーリ。
そして、その隕石が地上数100メートル程になったところで新たな魔法を発動する。
「すべての運動は今、止まる。
─────
降り注ごうとしていた隕石は今、空中で静止している。
「というか、時間停止魔法なんか使って配信は大丈夫なのであるか?」
そこが心配だ。
我は咄嗟に、空間属性の魔力をぶつけ、魔法を相殺し、時間停止世界に入ることができたが、配信を見ている人間にはもちろんそんな所業は出来ないからな。
しかし、我の心配を裏切るようにコメント欄は若干のラグがあったものの正常に動いている。
:隕石wwwこりゃ悪魔が止めるわけだwww
:この数……また荒野を破壊するつもりか?w
:時間停止ってマジかwww
:ほんまやw隕石止まってるやん
「今、皆さんを私の停止世界に招待しました。
皆さん、見えてるみたいですね!じゃあ、次行きますよ~」
そろそろ仕上げだ。と言わんばかりにユーリが今日一番と言っていいほどの魔力を集め始める。
どうせ止められないのだ。
ならば、止めようとするだけ無駄であるな!!
我は逃げることにする。
「業火よ。その熱を以て燃やし尽くしなさい
─────ヘルフレイム」
すぅ、と息を吸い、紡ぐのはもう一つの呪文。
「全ての源よ。今は弾丸と成りて敵を貫け
─────アクアバレット」
紡がれた二つの魔法は停止世界にて静かに宙を漂う。
圧倒的な熱、そして水。
彼女がこれから起こすことはおそらく……。
:これはもしやwww
:wktk
:いやいやいやいや……ね?
「では、いきますよ?」
パチン───。
ユーリが指を鳴らすのをキーに時間停止は解除される。
隕石群の元へ二つの魔法が一直線に飛んで行き……。
大爆発を起こした。
水が尋常ではないほどの熱量を有する地獄の業火に触れ、その温度は一気に300℃程にまで膨れ上がる。
そして、一気に蒸発した水は急激に体積を増大させ、結果的に大爆発を起こす。
これがユーリが起こした水蒸気爆発だ。
地上数100メートルで爆散する隕石群と、吹き降ろす爆風を全く感じさせない態度でユーリは締めに入る。
「色々トラブルはあったものの、こうやって無事に初配信を終えることが出来ます。
本当にありがとうございました!!
また次回の配信でお会いしましょう!!!」
:めっちゃ楽しかったやで!!
:ユーリちゃんのファンになりました!推すぜ!!
:ユーリちゃんの魔法もっと見たい!!
:また次の配信も楽しみにしてる!!!
こうして、ユーリの伝説の一歩目となる初配信は幕を閉じた。
ユーリ・ウルス@魔法ブッパ系VTuber【MML】
チャンネル登録者数:45000人
あれ、我の登録者数越されてるじゃん……。
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