羅刹羅闍(演奏と旋律)
実にいい気分だ。
余はまた戦いに挑めることに高揚感を感じる。
やはり戦う術もないまま相手にやり返すもできないのは死より恥じだ。
それは
この【修羅の鎧】は余が
この鎧を纏うとき、余は無敵であり、
宙に浮いている18の金剛腕は防御のみならず、攻撃に転じることもできる。
先ほどの攻撃の通り、余が手にしているヴィーナで奏でる旋律に乗せて攻撃する。
第一
金剛腕から放った
これだ!
これが余が与えられた力。
これこそが
神仏にも負けず、天界から冥界まで暴れ回った自分を思い出すと、これこそ余の生き様、そして死に様でもある。
かなり負傷したにもかかわらず立ち上がろうとした大蛇を見て、余は哀れな気持ちになった。
さて...とどめでも行こうか...
悪く思わないで、愚かな
貴様が牙を剥いた相手は余だから、それが身の程知らずの罪...つまり死刑だ。
せめて粉砕して跡形もなくしてやる!
第二演奏、【
奏でた旋律と共に金剛腕が宙の中に大きい輪の形を作り、回転し始めた。
演奏と共に回転速度が上がり、各腕が持っている武器がノコギリの歯のように巨大な円盤が物凄い速さの回転で鋭さを持つ。
そして、演奏が止まると、巨大な鋭い円盤が飛び出して、大蛇の体を真二つに切った。その直後に各腕が解散して、また二つずつ組み上げより小型の9つの輪になった。そこからその9つの輪を真二つになった大蛇の体を切り刻んだ。
あの巨大な体が原型も残らなくなるまで目が追えないほどの速さで何度も何度も繰り返した。
そして、静寂に戻った瞬間、そこには大蛇の姿はもう存在しない。
フフッ...
はははほはは!!!
これだ!
切り刻まれた肉体...
切り刻む刃...
全てを喰らい尽くす、目の前にある物を破壊する、
これこそは修羅の鎧の力!
修羅の【本性】
止めることなく、戦い続ける
それは呪われた我が種族、羅刹の定め...そして、余の定め...
久々のこの姿になったが、まだまだ戦い足りない。
とりあえずあのナーガはもう余に牙を剥くことも永遠にないだろう。
小娘は...いた。
今の状況が落ち着いたから、事情について話してもらおう。
聞きたいことが山...もはやあの霊峰も超えたほどある。
と小娘のところに向けて、歩き出したら、背後から何者がいると察知した。
振り向くと、何も見えなかった。
しかし、下を向いたら、余の膝ぐらいの高さである一人の男の子が無邪気の目で余のことを見上げていた。
ん?それはおかしい...
いつから...いつも間に?
なぜ余は気づかない?
ただの子供に見えるが...何か悪い予感を感じる。
この違和感が危機感に変わり、この危険な芽を摘まないといけないと第六感が余に告げた。
悪いな...小僧!
「ヤメテ!」という娘からの声が聞こえたが、意味が分からないままに余は拳を目の前にいる子供を潰そうとした。
しかし、余が想像した結末とは全く違った。
!?
バカな...
拳で潰すつもりだったが、
あんなに細い腕で余の拳を止めただと?
有り得ない...
そして、あの小さな子供が余の目を見て、無邪気な笑顔と共に話しかけた。
断じて...子供が言うような内容ではないことを
「汝のことはよく知っている。しかし、汝が全てを終焉に導くのはまだ早い。今はその時ではない。」
「さあ...しばらくおとなしくしてもらおうか。」
その言葉を最後に、余の意識が完全に失った。
何が起きたか全く理解できない。
気が失う前に見えたあの小娘が余の目に映った。
悪かったな...
まだ何も話しができずにこんなことになるとは...
愛する我が君...シーターが会えるまで死ぬわけにはいかないのに...
意識が段々遠くなってゆく。
しかし、確かに何者かの声が聞こえてきた。
「生きて」という言葉が確かに...聞こえた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます